⇔1日1クリックで応援お願いします!ブログランキング
⇔こちらもクリックを!にほんブログ村
静岡県知事選は残りわずかですが、先日お話ししたように、溝口候補のおかしな主張について私なりに(つまりあくまでも私個人の見解です)解説したいと思います(もっと早くに出来れば良かったのですが多忙な選挙活動等のため、今になってしまいました)。
溝口候補が繰り返し述べている(選挙前の公開討論会(6月5日の浜松会場と6月7日の静岡会場)でも言われていましたし、報道によれば出陣式等でも発言されているとのこと。但し、溝口候補のホームページや選挙公報では触れられていませんので、選挙直前に加えられた主張の1つと思われます)主張の1つが「平成26年度の静岡県の実質経済成長率はー3%で全国最下位。川勝知事の経済政策が失敗したことの現れだ」という趣旨のものです。
この溝口候補の言う「静岡は-3%で全国最下位」とは、内閣府が先月5月26日に公表した平成26年度の「県民経済計算」の結果とりまとめで明らかにされたもので、それ自体は否定できない事実です。6月5日の浜松での公開討論会の際に、溝口氏はその内閣府の資料の一部と思われるものを示しながら(ちなみに、公開討論会で資料を提示したのは明らかにルール違反でした)-3%について言及し「(静岡県の)経済が全然活性していない」と川勝候補を批判されました。
全国で最下位という結果は5月26日の公表により初めて明らかになったものです。しかし、「-3%」という数字は既に昨年の11月30日に静岡県が公表していました。ですので、溝口候補が強調したかったのは静岡県が全国最下位だったという事実かと思われますが、「最下位=川勝県政の失敗」という理屈は余りにも短絡的だと考えます。
「-3%」の理由について、昨年11月に静岡県政策企画部が取りまとめた「平成26年度静岡県の県民経済計算(概要版)」は、平成26年4月に実施された消費税引き上げ後の駆け込み需要の反動が大きく、輸送用機械(自動車等)等の製造業が振るわなかった等としています。つまり、平成25年度には消費税増税前の駆け込み需要があり(平成25年度の静岡県の実質経済成長率は2.2%)その反動が翌26年度に生じたというのですから、これは川勝県政というよりも消費税増税という国策によるものと言うべきでしょう。
47都道府県のうち、21の県で実質経済成長率はプラスであり、消費税増税の反動の影響を静岡県ほど受けていない県も少なくありません。しかし、例えば、26年度の実質経済成長率が1位となった宮城県の主な要因が復興特需であることからも明らかなように、都道府県によって経済・産業の構造や状況は異なり、よって成長率のプラスマイナスの理由もそれぞれ違ってきます(例えば、農林水産業や観光が主要産業である県では天候不順・異常気象という不可抗力により成長率がマイナスになったりします)。ですので、単年度の数字だけを見て、政策の成功だ、失敗だというのは実に短絡的ではないでしょうか。
※静岡県政策企画部が作成した「平成26年度静岡県の県民経済計算(概要版)」2ページ
また、それよりも重要な問題点と思われるのが、-3%の数字だけを切り取り、他の統計については触れていない点です。県民経済計算では実質経済成長率に加えて一人当たり県民所得についても取りまとめていますが、平成26年度の一人当たり県民所得における静岡県の順位は前年度の4位から3位に上がっているのです。
※静岡県経営管理部作成資料(赤丸は筆者が加筆)
所得の額そのものは前年よりも減少していますので諸手を挙げて喜ぶわけにはいきませんし、実質経済成長率と同様にその背景は単純ではないでしょうから、川勝県政の成功の現れと直ちに言うつもりはありません。しかし、県民生活への影響という点では、実質経済成長率「-3%」よりも県民所得の順位が上がったことの方が意味は大きいのではないでしょうか。実際、前述の内閣府の公表を報じた翌日の新聞記事は、どれも県民所得に焦点を当てた内容となっており、「静岡県最下位」については記事の終わりで少し触れる程度です。
※内閣府による県民経済計算結果のとりまとめを報じた5月27日の新聞記事コピー
以上、簡単な説明ですが、冷静なご理解、ご判断を賜れば幸いです。
お読み下さりありがとうございます。
⇔こちらもクリックを!にほんブログ村
静岡県知事選は残りわずかですが、先日お話ししたように、溝口候補のおかしな主張について私なりに(つまりあくまでも私個人の見解です)解説したいと思います(もっと早くに出来れば良かったのですが多忙な選挙活動等のため、今になってしまいました)。
溝口候補が繰り返し述べている(選挙前の公開討論会(6月5日の浜松会場と6月7日の静岡会場)でも言われていましたし、報道によれば出陣式等でも発言されているとのこと。但し、溝口候補のホームページや選挙公報では触れられていませんので、選挙直前に加えられた主張の1つと思われます)主張の1つが「平成26年度の静岡県の実質経済成長率はー3%で全国最下位。川勝知事の経済政策が失敗したことの現れだ」という趣旨のものです。
この溝口候補の言う「静岡は-3%で全国最下位」とは、内閣府が先月5月26日に公表した平成26年度の「県民経済計算」の結果とりまとめで明らかにされたもので、それ自体は否定できない事実です。6月5日の浜松での公開討論会の際に、溝口氏はその内閣府の資料の一部と思われるものを示しながら(ちなみに、公開討論会で資料を提示したのは明らかにルール違反でした)-3%について言及し「(静岡県の)経済が全然活性していない」と川勝候補を批判されました。
全国で最下位という結果は5月26日の公表により初めて明らかになったものです。しかし、「-3%」という数字は既に昨年の11月30日に静岡県が公表していました。ですので、溝口候補が強調したかったのは静岡県が全国最下位だったという事実かと思われますが、「最下位=川勝県政の失敗」という理屈は余りにも短絡的だと考えます。
「-3%」の理由について、昨年11月に静岡県政策企画部が取りまとめた「平成26年度静岡県の県民経済計算(概要版)」は、平成26年4月に実施された消費税引き上げ後の駆け込み需要の反動が大きく、輸送用機械(自動車等)等の製造業が振るわなかった等としています。つまり、平成25年度には消費税増税前の駆け込み需要があり(平成25年度の静岡県の実質経済成長率は2.2%)その反動が翌26年度に生じたというのですから、これは川勝県政というよりも消費税増税という国策によるものと言うべきでしょう。
47都道府県のうち、21の県で実質経済成長率はプラスであり、消費税増税の反動の影響を静岡県ほど受けていない県も少なくありません。しかし、例えば、26年度の実質経済成長率が1位となった宮城県の主な要因が復興特需であることからも明らかなように、都道府県によって経済・産業の構造や状況は異なり、よって成長率のプラスマイナスの理由もそれぞれ違ってきます(例えば、農林水産業や観光が主要産業である県では天候不順・異常気象という不可抗力により成長率がマイナスになったりします)。ですので、単年度の数字だけを見て、政策の成功だ、失敗だというのは実に短絡的ではないでしょうか。
※静岡県政策企画部が作成した「平成26年度静岡県の県民経済計算(概要版)」2ページ
また、それよりも重要な問題点と思われるのが、-3%の数字だけを切り取り、他の統計については触れていない点です。県民経済計算では実質経済成長率に加えて一人当たり県民所得についても取りまとめていますが、平成26年度の一人当たり県民所得における静岡県の順位は前年度の4位から3位に上がっているのです。
※静岡県経営管理部作成資料(赤丸は筆者が加筆)
所得の額そのものは前年よりも減少していますので諸手を挙げて喜ぶわけにはいきませんし、実質経済成長率と同様にその背景は単純ではないでしょうから、川勝県政の成功の現れと直ちに言うつもりはありません。しかし、県民生活への影響という点では、実質経済成長率「-3%」よりも県民所得の順位が上がったことの方が意味は大きいのではないでしょうか。実際、前述の内閣府の公表を報じた翌日の新聞記事は、どれも県民所得に焦点を当てた内容となっており、「静岡県最下位」については記事の終わりで少し触れる程度です。
※内閣府による県民経済計算結果のとりまとめを報じた5月27日の新聞記事コピー
以上、簡単な説明ですが、冷静なご理解、ご判断を賜れば幸いです。
お読み下さりありがとうございます。