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外で学び働くことも奨励すべき
6月25日に行なわれた静岡県知事選挙で、現職の川勝知事が三選を果たしました。川勝知事のこれまでの三度の選挙全てに私は直接関わってきましたが、今回は川勝知事を全面的に応援する県議会会派「ふじのくに県民クラブ」の政策調査会長として、選挙における政策作りやアンケートへの回答、政見放送等の担当という重責を頂きました。何とか無事に責任を果たすことができ安堵した半面、特に旧静岡市内における厳しい結果については真摯に受け止めなければいけないと思っています。県政の一端を担う者として、しっかり肝に銘じて、今後の議員活動を進めていきます。
今回の県知事選に先立ち、県内では計3回、立候補予定者による公開討論会が行なわれました。そのうちの2回は10代、20代の若者が中心となって企画したものでした。そこで特に議題となったのが若者流出問題。静岡県では10代後半や20代の若者が毎年数多く県外に転出しているということから、若者流出を何とか防ぐべきという意見が多く聞かれました。
しかし、若者流出は静岡県にとって悪いことばかりなのでしょうか?川勝知事も、ご自身は京都出身ながら東京の大学に進学し、後に英国に留学。その後、県外で働いてきたという自己体験から、「県内の若者が県外や海外で勉強したり就職したりすることが全て良くないとは決して思っていない。実際に私も県外や海外の大学で勉強し仕事をしてきた。県外や海外での勉強や就職も同時に奨励したい」という趣旨の発言を公開討論会でされました。
私も全く同感です。何故なら、相互依存や国際化・地球化が更に進むこれからの時代には、県外や海外で様々な勉強や経験をした若者がますます必要となるからです。私自身も旧静岡市での生まれながら、神奈川県にキャンパスのある大学に進学し、英国に留学。国会議員政策担当秘書として埼玉県や東京・永田町で12年近く働いてきました。そうした経験からも言えることは、重要なのは、県外や海外で学び働いている方々が、時間が出来たら帰省したい、いつかは戻って仕事をしたい、暮らしたい、と常に思い続けてもらえるような静岡県であり続けること、そのための努力をすることではないでしょうか。
もちろん、静岡県に残って、ずっと働き続けてもらえる若者の存在も重要です。しかし同時に、若者の皆さんが県外や海外で様々な挑戦をすることも積極的に応援すべきと考えます。
大学新設で若者流出が止まる?
若者が県外に流出する要因の一つとしてよく挙げられるのが、「県内の高校卒業生が進学できる大学が不足している」というものです。そのため、県内にもっと大学を作るべきという意見も、今回の知事選でも度々聞かれました。また実際に、静岡市議会等でそうした議論がされたこともあります。
私は、県内高校生の受け皿を増やすことを目的とした公立大学の新設には基本的に反対です。何故なら、日本全体で若者人口の減少が続く昨今、国公立・私立を問わず大学経営は一層厳しくなってきており、そうした状況は当面続くからです。また大学を新設した場合、評価や学生のレベルがより高い大学を目指すことになるでしょうが、より良い大学の実現と若者流出阻止の両立は極めて難しいからです。
その典型例が、秋田県にある国際教養大学です。経営の悪化により閉校したミネソタ州立大学秋田校の旧校舎を活用して、秋田県が平成16年に開校しました。それから10年余りしか経っていないにも関わらず、4年間全て英語による授業というようなユニークなグローバル教育カリキュラムが極めて高い評価を受けており、入試の難易度は既に東大京大レベルです。また、今年の4月時点で47の国や地域の計185大学と交流提携していることが証明するように、海外からも高評価を得ています。
※国際教養大学を視察(平成27年8月4日)
しかし、そうした「超難関大学」となったために、秋田県立の大学であるにも関わらず、秋田県内の高校卒業生にとっても入学が難しくなってしまったのです。今年の4月現在で、国際教養大学の学部生869名のうち、都道府県別で最も多いのは秋田県出身学生であるものの、計116名、僅か13%程しかいないのです。秋田県に次いで多いのが東京都出身の100名。それに神奈川、千葉、埼玉出身の学生も加えれば計218名にもなり、4人に1人が実は首都圏・関東出身の学生なのです。
因みに、静岡県立大学における静岡県出身学生数(本年5月現在)は、学部生2783名中1762名で約63%にもなります。その割合は上昇傾向にあり、県内の若者の流出を防いでいるという意味では良いことなのかもしれません。しかしそれは、県外の高校生にとって県立大の魅力が低下しつつあることを意味していることも忘れてはいけません。
また、県外からの学生が多いとしても、卒業後、県内企業にその多くが就職していればむしろ若者獲得に貢献していると言えます。しかし、国際教養大学の場合はそうではありません。1学年の定員は175名で毎年同程度数の学生が卒業していますが、秋田県内の企業に就職したのは大学設置後初めて卒業生を輩出した平成19年度から24年度までで計52名だったそうです。つまり、年に10名にも満たないのです。卒業生の殆どは県外、海外の大学院に進学もしくは企業や組織に就職しているのです。秋田県は10億円ほどの運営費を国際教養大学に毎年交付していますが、その意義については、秋田県議会等でも度々議論になっているようです。
やはり重要なのは、前述のように、県外や海外で活躍している若者が、いつも誇りに思う故郷として静岡県があり続けることだと考えます。そのために、引き続き努力していきたく思います。
※若者流出については、今月の「すずしんラジオ」でもお話しします。是非お聴き下さい!
お読み下さり、ありがとうございます。
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外で学び働くことも奨励すべき
6月25日に行なわれた静岡県知事選挙で、現職の川勝知事が三選を果たしました。川勝知事のこれまでの三度の選挙全てに私は直接関わってきましたが、今回は川勝知事を全面的に応援する県議会会派「ふじのくに県民クラブ」の政策調査会長として、選挙における政策作りやアンケートへの回答、政見放送等の担当という重責を頂きました。何とか無事に責任を果たすことができ安堵した半面、特に旧静岡市内における厳しい結果については真摯に受け止めなければいけないと思っています。県政の一端を担う者として、しっかり肝に銘じて、今後の議員活動を進めていきます。
今回の県知事選に先立ち、県内では計3回、立候補予定者による公開討論会が行なわれました。そのうちの2回は10代、20代の若者が中心となって企画したものでした。そこで特に議題となったのが若者流出問題。静岡県では10代後半や20代の若者が毎年数多く県外に転出しているということから、若者流出を何とか防ぐべきという意見が多く聞かれました。
しかし、若者流出は静岡県にとって悪いことばかりなのでしょうか?川勝知事も、ご自身は京都出身ながら東京の大学に進学し、後に英国に留学。その後、県外で働いてきたという自己体験から、「県内の若者が県外や海外で勉強したり就職したりすることが全て良くないとは決して思っていない。実際に私も県外や海外の大学で勉強し仕事をしてきた。県外や海外での勉強や就職も同時に奨励したい」という趣旨の発言を公開討論会でされました。
私も全く同感です。何故なら、相互依存や国際化・地球化が更に進むこれからの時代には、県外や海外で様々な勉強や経験をした若者がますます必要となるからです。私自身も旧静岡市での生まれながら、神奈川県にキャンパスのある大学に進学し、英国に留学。国会議員政策担当秘書として埼玉県や東京・永田町で12年近く働いてきました。そうした経験からも言えることは、重要なのは、県外や海外で学び働いている方々が、時間が出来たら帰省したい、いつかは戻って仕事をしたい、暮らしたい、と常に思い続けてもらえるような静岡県であり続けること、そのための努力をすることではないでしょうか。
もちろん、静岡県に残って、ずっと働き続けてもらえる若者の存在も重要です。しかし同時に、若者の皆さんが県外や海外で様々な挑戦をすることも積極的に応援すべきと考えます。
大学新設で若者流出が止まる?
若者が県外に流出する要因の一つとしてよく挙げられるのが、「県内の高校卒業生が進学できる大学が不足している」というものです。そのため、県内にもっと大学を作るべきという意見も、今回の知事選でも度々聞かれました。また実際に、静岡市議会等でそうした議論がされたこともあります。
私は、県内高校生の受け皿を増やすことを目的とした公立大学の新設には基本的に反対です。何故なら、日本全体で若者人口の減少が続く昨今、国公立・私立を問わず大学経営は一層厳しくなってきており、そうした状況は当面続くからです。また大学を新設した場合、評価や学生のレベルがより高い大学を目指すことになるでしょうが、より良い大学の実現と若者流出阻止の両立は極めて難しいからです。
その典型例が、秋田県にある国際教養大学です。経営の悪化により閉校したミネソタ州立大学秋田校の旧校舎を活用して、秋田県が平成16年に開校しました。それから10年余りしか経っていないにも関わらず、4年間全て英語による授業というようなユニークなグローバル教育カリキュラムが極めて高い評価を受けており、入試の難易度は既に東大京大レベルです。また、今年の4月時点で47の国や地域の計185大学と交流提携していることが証明するように、海外からも高評価を得ています。
※国際教養大学を視察(平成27年8月4日)
しかし、そうした「超難関大学」となったために、秋田県立の大学であるにも関わらず、秋田県内の高校卒業生にとっても入学が難しくなってしまったのです。今年の4月現在で、国際教養大学の学部生869名のうち、都道府県別で最も多いのは秋田県出身学生であるものの、計116名、僅か13%程しかいないのです。秋田県に次いで多いのが東京都出身の100名。それに神奈川、千葉、埼玉出身の学生も加えれば計218名にもなり、4人に1人が実は首都圏・関東出身の学生なのです。
因みに、静岡県立大学における静岡県出身学生数(本年5月現在)は、学部生2783名中1762名で約63%にもなります。その割合は上昇傾向にあり、県内の若者の流出を防いでいるという意味では良いことなのかもしれません。しかしそれは、県外の高校生にとって県立大の魅力が低下しつつあることを意味していることも忘れてはいけません。
また、県外からの学生が多いとしても、卒業後、県内企業にその多くが就職していればむしろ若者獲得に貢献していると言えます。しかし、国際教養大学の場合はそうではありません。1学年の定員は175名で毎年同程度数の学生が卒業していますが、秋田県内の企業に就職したのは大学設置後初めて卒業生を輩出した平成19年度から24年度までで計52名だったそうです。つまり、年に10名にも満たないのです。卒業生の殆どは県外、海外の大学院に進学もしくは企業や組織に就職しているのです。秋田県は10億円ほどの運営費を国際教養大学に毎年交付していますが、その意義については、秋田県議会等でも度々議論になっているようです。
やはり重要なのは、前述のように、県外や海外で活躍している若者が、いつも誇りに思う故郷として静岡県があり続けることだと考えます。そのために、引き続き努力していきたく思います。
※若者流出については、今月の「すずしんラジオ」でもお話しします。是非お聴き下さい!
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