行って来ました!
寺田本家へ毎年恒例の酒蔵訪問!
今回で4回目、娘が0歳(10ヶ月くらい)のときから行き始めました。
2回目からは寺田本家のご縁のあるのお蕎麦屋さん「うふふ」(寺田家の次女の聡美さんのご親友で、寺田社長のお兄さんのそば屋で修行をしたそうです。)でお蕎麦を食べるのも定番になりました。
ここは、本当に一軒家で、完全予約制でコースのみです。美味しいです。
う~ん…。
これは、子育てとはあんまり関係ないのですが、
『のんべえ』の部分が関係しているので一応記事を書いてみました。
過去の記事にもあるように娘の記憶にすりこまれているようですし。
ここのお酒は、私が千葉にいた頃に出会ったお酒で、10年ほど前になると思いますが、それ以来ずっと愛飲しているお酒であります。
当時は山廃仕込みで、当時から稀有な蔵でしたが、現在は、全量「生もと仕込み」の純米無ろ過で、ますます珍しい蔵となりました。
米は無農薬米、不耕起栽培米、自家栽培米、などにこだわり、
酵母は自家培養、蔵付き酵母です。
蔵元の病気を機に、蔵人の反対を押し切り、1年だけという約束で始めた山廃仕込みから始まり、
特にエポックメーキングな逸品が、「むすひ(むすびと読む)」と言う酒で、
精米歩合100%、つまり玄米で仕込んだめずらしいお酒です。
しかし、ただの玄米ですと堅くてハゼこまないので、発芽させてから仕込む発芽玄米酒です。
玄米ですと、通常の絞り機では酒かすが詰まってしまうので
酒袋にいれて絞るそうです。
したがって一回の絞りに大きな機械が使えないので、
必然的に少量仕込みになってしまうと言う事です。
つまり、米を全く磨かないお酒が、よその蔵で仕込むような、米を半分以上磨いた、
鑑評会出品用の別誂え大吟醸みたいな作り方をしてるって事ですね!
しかし、このお酒、発売前にお上に(税務署)に待ったをかけられてしまったそうです。
米も磨いていない、もろみをただ絞ってびんにつめた、このような酒を清酒として認めるわけにはいかん、というわけです。
しかし、基本的な原料と作り方は他の日本酒と変わりません。
お上も「いいんじゃないか」「いや、認められん」と二派に別れ喧々諤々やったそうですが、
結局、あまりに異例と言う事で、「その他の雑酒」にされてしまったと言う事です。(なんじゃそりゃ)
「清酒の製法品質表示基準」に「香味、色沢が良好」と言うのがあるんですけど、この辺に引っかかったんですかね…。
でも、米ぬかのいい香りがするんですけどね…。
(これは、私の思い違いで、実際の経緯を寺田本家様より教えていただきました。『税務署で問題になったのは「発芽」玄米を使っていることでした。発芽したら「米」ではないということなのです。「香味、色沢」のところではありません。』また、
『現在は酒税法の改定で「その他の醸造酒」に変わりました。』という事も教えていただきました。)
それにしても、発芽しちゃったら米じゃなくなるなんて!知らなかった…。
しかし、このお酒、発売後、じわじわと人気を集めお酒関係の雑誌等には全く、
取り扱われませんでしたが、日経ヘルスなど健康雑誌で取り扱われて、「糖尿病が治った」とか「アレルギーがなくなった」など「奇跡のお酒」などといわれ、今では、生産が追いつかないそうです。
続いて、「醍醐のしずく」と言う「菩提もと仕込み」のお酒がありますが、
これは、完全にどぶろくですね。作り方が。
菩提もとはいわゆる腐れもとを使うんです。(ありえねー!)
初めて蔵見学に行った時は、この菩提もとの仕込み体験をさせて頂きました。
麹の切り返えし、洗米、腐れもとをもみもみしてきました。
仕込み時期の天候や季節により、常に味が違います。
日本酒度も酸度もアミノ酸度もいつも違います。
この蔵のポリシーは「自然の摂理に学び、生命力のある命の宿った酒造りを目指す」ことなのです。
鑑評会の酒や流行の味とは無縁なのです。
業界では異端児的なこの蔵も、世の中の動きから見れば、
まさしく時代の最先端ではないかと思うのです。
「この蔵は奇人変人の集まりです。日本一高い米(無農薬不耕起米)で、日本一まずい酒(むすひのこと?)を造っています。」と笑っていた蔵元は、微生物と醗酵の伝道師とでも言える人です。
しかし、「五人娘」レギュラーの精米歩合70以下の「香取」精米歩合80と90と言うお酒があるのですが、これらも含めすべて大吟醸の仕込みよろしく手作業で手間隙かけて仕込まれます。不味いわけがありません!
残念ながら、今年も、もとすり作業は見れませんでしたが(前日終わってしまったそうです)、
もとすりの時に唄う唄を忙しい中、蔵人に唄っていただきました。
よその蔵の生もと作りのお酒は、「簡易生もと」といって機械でもとすりをしてしまうものが大半だそうです。
興味のある方はムービーでご覧下さい。
もとすり唄
この後、蔵人に唄についてのお話などをしていただきました。
「楽しく作ったお酒を楽しく飲んでもらいたい」といっていた蔵人の思いが、
お酒をさらに美味しくするのでしょう。
まだまだ、書きたい事はたくさんありますが、きりが無いのでこのへんで…。
また、機会があったら書きたいと思います…。
歴史の有る古い蔵です。
甑です。これで、お米を蒸します。
自然の乳酸菌がたっぷり入ったもろみ。ヨーグルトのような味がします。
中央の半切り桶でもとすりをします。真ん中の布がかぶせてあるのは前の日に、
もとすりをしたもろみです。回りのホーローのタンクにはもろみが入っています。
貯蔵タンクと仕込みタンクが並びます。
以前は「エアシューター」というもので蒸米を運んでいたそうです。
現在は使用せず、仕込みのときは、もろみや蒸し米は、全て担いで運ぶそうです。
一見無意味な労働かと思えますが、「エアシューター」とは10センチくらいのパイプに強い風を送って蒸米を運ぶもので、放冷機とセットになっていているそうです。放冷機より自然放冷のほうがよりよい蒸米に仕上がるので放冷機をやめたので同時に廃止になったということでした。いずれにせよこの蔵では、極力機械を使わず人の手をかけて作業をする事に努めていますが、それは、それぞれ意味があって行っていることであり、例えば、蒸し米をさます時に使う、放冷機の使用をやめ、時間のかかる自然放冷にしたのも、どちらの方法も試した結果よりよい方法を選択したという事なのでしょう。
※(寺田本家様に添削をお願いし、思い違いの部分などは後で訂正した物があります。)
寺田本家へ毎年恒例の酒蔵訪問!
今回で4回目、娘が0歳(10ヶ月くらい)のときから行き始めました。
2回目からは寺田本家のご縁のあるのお蕎麦屋さん「うふふ」(寺田家の次女の聡美さんのご親友で、寺田社長のお兄さんのそば屋で修行をしたそうです。)でお蕎麦を食べるのも定番になりました。
ここは、本当に一軒家で、完全予約制でコースのみです。美味しいです。
う~ん…。
これは、子育てとはあんまり関係ないのですが、
『のんべえ』の部分が関係しているので一応記事を書いてみました。
過去の記事にもあるように娘の記憶にすりこまれているようですし。
ここのお酒は、私が千葉にいた頃に出会ったお酒で、10年ほど前になると思いますが、それ以来ずっと愛飲しているお酒であります。
当時は山廃仕込みで、当時から稀有な蔵でしたが、現在は、全量「生もと仕込み」の純米無ろ過で、ますます珍しい蔵となりました。
米は無農薬米、不耕起栽培米、自家栽培米、などにこだわり、
酵母は自家培養、蔵付き酵母です。
蔵元の病気を機に、蔵人の反対を押し切り、1年だけという約束で始めた山廃仕込みから始まり、
特にエポックメーキングな逸品が、「むすひ(むすびと読む)」と言う酒で、
精米歩合100%、つまり玄米で仕込んだめずらしいお酒です。
しかし、ただの玄米ですと堅くてハゼこまないので、発芽させてから仕込む発芽玄米酒です。
玄米ですと、通常の絞り機では酒かすが詰まってしまうので
酒袋にいれて絞るそうです。
したがって一回の絞りに大きな機械が使えないので、
必然的に少量仕込みになってしまうと言う事です。
つまり、米を全く磨かないお酒が、よその蔵で仕込むような、米を半分以上磨いた、
鑑評会出品用の別誂え大吟醸みたいな作り方をしてるって事ですね!
しかし、このお酒、発売前にお上に(税務署)に待ったをかけられてしまったそうです。
米も磨いていない、もろみをただ絞ってびんにつめた、このような酒を清酒として認めるわけにはいかん、というわけです。
しかし、基本的な原料と作り方は他の日本酒と変わりません。
お上も「いいんじゃないか」「いや、認められん」と二派に別れ喧々諤々やったそうですが、
結局、あまりに異例と言う事で、「その他の雑酒」にされてしまったと言う事です。(なんじゃそりゃ)
「清酒の製法品質表示基準」に「香味、色沢が良好」と言うのがあるんですけど、この辺に引っかかったんですかね…。
でも、米ぬかのいい香りがするんですけどね…。
(これは、私の思い違いで、実際の経緯を寺田本家様より教えていただきました。『税務署で問題になったのは「発芽」玄米を使っていることでした。発芽したら「米」ではないということなのです。「香味、色沢」のところではありません。』また、
『現在は酒税法の改定で「その他の醸造酒」に変わりました。』という事も教えていただきました。)
それにしても、発芽しちゃったら米じゃなくなるなんて!知らなかった…。
しかし、このお酒、発売後、じわじわと人気を集めお酒関係の雑誌等には全く、
取り扱われませんでしたが、日経ヘルスなど健康雑誌で取り扱われて、「糖尿病が治った」とか「アレルギーがなくなった」など「奇跡のお酒」などといわれ、今では、生産が追いつかないそうです。
続いて、「醍醐のしずく」と言う「菩提もと仕込み」のお酒がありますが、
これは、完全にどぶろくですね。作り方が。
菩提もとはいわゆる腐れもとを使うんです。(ありえねー!)
初めて蔵見学に行った時は、この菩提もとの仕込み体験をさせて頂きました。
麹の切り返えし、洗米、腐れもとをもみもみしてきました。
仕込み時期の天候や季節により、常に味が違います。
日本酒度も酸度もアミノ酸度もいつも違います。
この蔵のポリシーは「自然の摂理に学び、生命力のある命の宿った酒造りを目指す」ことなのです。
鑑評会の酒や流行の味とは無縁なのです。
業界では異端児的なこの蔵も、世の中の動きから見れば、
まさしく時代の最先端ではないかと思うのです。
「この蔵は奇人変人の集まりです。日本一高い米(無農薬不耕起米)で、日本一まずい酒(むすひのこと?)を造っています。」と笑っていた蔵元は、微生物と醗酵の伝道師とでも言える人です。
しかし、「五人娘」レギュラーの精米歩合70以下の「香取」精米歩合80と90と言うお酒があるのですが、これらも含めすべて大吟醸の仕込みよろしく手作業で手間隙かけて仕込まれます。不味いわけがありません!
残念ながら、今年も、もとすり作業は見れませんでしたが(前日終わってしまったそうです)、
もとすりの時に唄う唄を忙しい中、蔵人に唄っていただきました。
よその蔵の生もと作りのお酒は、「簡易生もと」といって機械でもとすりをしてしまうものが大半だそうです。
興味のある方はムービーでご覧下さい。
もとすり唄
この後、蔵人に唄についてのお話などをしていただきました。
「楽しく作ったお酒を楽しく飲んでもらいたい」といっていた蔵人の思いが、
お酒をさらに美味しくするのでしょう。
まだまだ、書きたい事はたくさんありますが、きりが無いのでこのへんで…。
また、機会があったら書きたいと思います…。
歴史の有る古い蔵です。
甑です。これで、お米を蒸します。
自然の乳酸菌がたっぷり入ったもろみ。ヨーグルトのような味がします。
中央の半切り桶でもとすりをします。真ん中の布がかぶせてあるのは前の日に、
もとすりをしたもろみです。回りのホーローのタンクにはもろみが入っています。
貯蔵タンクと仕込みタンクが並びます。
以前は「エアシューター」というもので蒸米を運んでいたそうです。
現在は使用せず、仕込みのときは、もろみや蒸し米は、全て担いで運ぶそうです。
一見無意味な労働かと思えますが、「エアシューター」とは10センチくらいのパイプに強い風を送って蒸米を運ぶもので、放冷機とセットになっていているそうです。放冷機より自然放冷のほうがよりよい蒸米に仕上がるので放冷機をやめたので同時に廃止になったということでした。いずれにせよこの蔵では、極力機械を使わず人の手をかけて作業をする事に努めていますが、それは、それぞれ意味があって行っていることであり、例えば、蒸し米をさます時に使う、放冷機の使用をやめ、時間のかかる自然放冷にしたのも、どちらの方法も試した結果よりよい方法を選択したという事なのでしょう。
※(寺田本家様に添削をお願いし、思い違いの部分などは後で訂正した物があります。)