Hiroshi Mukaide(向出博)Time Traveler

どこかに「麒麟」は いないのか

ジョー・バイデン次期大統領77歳、ドナルド・トランプ大統領74歳。二階俊博幹事長81歳、麻生太郎財務大臣80歳、菅義偉総理大臣71歳。何れも日米の未来を担う、素晴らしい指導者たちだ。

さて、前置きは終えて、本題に入ろう。

頑固だから孤独な高齢者になるのではない。歳をとると体が衰え、収入も減少するから、好むと好まざるとに関わらず孤独な高齢者になる。それは自然の摂理に従ったことかもしれない。

高齢になると、知らず知らずのうちに、過去の成功体験に拘泥し、人の意見を聞かなくなる。成功体験が無ければ、無気力になる。頑固と無気力、どちらがいいのか。いずれにしても、若い頃のように、新しく何かにチャレンジするなんて不可能。もし、いつまでもチャレンジしていたら、それこそ病気にでもなって御陀仏。

大企業のエリートでも、定年後は、勤め先の再雇用でも無ければ、就職先を見つけるなんて無理。最強の士業の弁護士ですら、高齢になると、弁護士会費や事務所費などを負担できなくなり、廃業するくらいだ。

ところが、金持ちの高齢者は別。そもそも、人に使われて働く必要などない。起業でも何でもできる。まあ、働かなくてもよいから、起業などしないで、友達を誘って、優雅に遊べるし、国内でも海外でも自由に旅行できる。そうだ、政治家にだってなれる。

所詮、人間関係は、利害関係。家族も友達も、自分の得になる相手なら、我慢してでも付き合ってくれる。悔しいが、資本主義社会では、金があれば何でもできる。長年、生きてきて、これこそが真実だと認めざるを得ない。子供の頃、金持ちになりたいと思ったことがある。ガリ勉して、いい大学に入ろうとしたのも、今思えば、金持ちになりたかったからだ。

ところが、ある程度の年齢になると、親が金持ちでも無い限り、金持ちには、なれないという辛い現実に気づく。そこで、悔し紛れに、仕事に生きがいを見出すことになる。ところが、自分を洗脳して「金より生きがい、働きがい」という価値観を身につけようと、何十年も努力していると、いつの間にか「孤独な高齢者にまっしぐらな自分」に気づくことになる。気づいたからといって、どうしようもない。理不尽なこの世の中を、何とか生き抜いていくためには、「孤独な高齢者にまっしぐら」な生き方しかないのだから。

利害、損得無しに付き合えるのは、運命共同体である家族、幼馴染、同窓生、勤務先のOBなどと思っていると、裏切られる。人間、生きていくには金がかかる、利害、損得無しなんて訳にはいかない。資本主義社会は、厳しい社会。競争に勝たなければ、生きていくための金すら得られない。そんな社会を見回すたびに「みんな我慢強く立派に生きていて凄い」と尊敬する。

いつの頃からか、勢いを失った日本。将来への不安を抱えながら、過酷な労働に打ちひしがれて無気力となった中高年、高度成長期世代のような成功体験を味わえず、自信を喪失した若者。そんな、中高年や若者を尻目に、いまだにJapan As Number Oneのまま、頑固に突っ走る自信過剰な高齢者。いつの間にか、高齢者が、勝ち組になってしまった。本来なら社会の脇役の筈が、主役を食って久しい。そんな勝ち組の高齢者ばかりが、為政者となって、日本をコントロールしている。これではいけない。どこかに「麒麟」は、いないのか。

 

 

 

 

 

 

 


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