1950年の「世界の国別人口ランキング」を見て欲しい(単位は100万人)。
1 中国 554
2 インド 357
3 アメリカ合衆国 157
4 ロシア 102
5 日本 83
6 インドネシア 79
7 ドイツ 68
8 ブラジル 53
9 イギリス 50
10 イタリア 47
11 フランス 42
日本の高度経済成長の黎明期に当たる1950年の人口は世界第5位。
日本は、人口大国だった。
しかも当時は、G7参加国のアメリカ、日本、ドイツ、イギリス、イタリア、フランスも人口大国だった。
この事実だけで、人口は国家発展の原動力だと言うことがよく分かる。
世界第1位の経済大国アメリカは、現在でも1950年と変わらず、世界第3位の人口大国だ。
国家でも会社でも、成長している限り、国民も社員も、真面目に努力していれば、その努力以上のリターンを得られる。
これこそが、資本主義が、社会主義や共産主義を駆逐した理由だろう。
日本も、経済が成長していた頃は、本当に、よかった。
税収も右肩上がりで、健全財政。
そこそこの会社なら、倒産はしないし、定年まで勤められた。
事業が拡大していたから、給料も右肩上がり。
インフレ基調の経済だったから、金利も高かった。
そのせいで、ノーリスク、ハイリターンの金融商品ばかり。
株式投資だって、バブル崩壊までは、ノーリスク、超ハイリターンだった。
不動産投資も、土地バブルで、誰でも儲かった。
東京の山手線の内側の土地価格で、アメリカ全土が買えるとまで言われたくらいだ。
個人資産は、右肩上がりで増えていった。
そのおかげで、一億総中流。
老後の心配だって、今ほどではなかった。
ところが、日本経済の成長が止まると、何もかもが、上手くいかなくなった。
30年以上もの間、悪い方、悪い方へと転がり落ちている。
考えてみれば、ある程度、経済基盤が出来上がった資本主義国家の成長の原動力は、人口の増加だからだ。
もし、バブル期以降も、日本の人口が、右肩上がりでバンバン増えていれば、おそらく今頃は、世界第1位の経済大国だった。
事実、アメリカは、この30年間で1億人近く人口が増えているのに、日本は下降している。
考えてみると、日本の政治が悪かったわけでも、国民の能力が落ちたわけでもないのだ。
バブルで豊かになった日本人が、無意識のうちに、この狭い島国に、人口1億人なんて多過ぎると考え始めたのだろう。
狭い国土で、個体数が増え過ぎた日本。
「生物的自己抑制」のような力が働いたのかもしれない。
単純過ぎるかもしれないが、人口減少を甘く見てはいけないと言うことだろう。
ただ、人口が80億人を超えたこの地球は、そろそろ限界に近づいている。
そう考えると、金のかかる異次元の少子化対策なんて止めて、アメリカのように移民を受け入れるべきだろう。
日本人が大好きなアメリカのように「移民大国日本」になって、公用語も英語にしてしまうというのもアリかもしれない。
人口の目標は2億人。