この世界には、いつも戦争や紛争があふれている。
第二次世界大戦後も、世界各地で、戦争や紛争が繰り返されてきた。
その中で、キューバ危機を除けば、核戦争のリスクが顕在化したのは、今回のロシアのウクライナ侵攻が、初めてだろう。
ロシアは、核兵器を持っている大国。
そのロシアが、核兵器の使用もあり得ると威嚇している。
そのせいで、世界中の国々は、核兵器を持たない限り、核兵器を持つ国に侵略されても、何もできないと言う現実を突きつけられた。
そんな現実を突き付けられた世界の国々は、好むと好まざるとに関わらず、核爆弾や核弾頭ミサイルを装備せざるを得なくなるだろう。
パンドラの箱が開いてしまったのだ。
おそらく近い将来、通常兵器と核兵器の壁は、なくなってしまうだろう。
「核兵器が通常兵器化する」恐ろしい時代の到来だ。
そんな時代の到来を暗示するようなニュースが、入ってきた。
これまで西側諸国の経済制裁で、徹底的に締め上げられてきたイランが、あらゆるミサイル防衛を突破できる極超音速弾道ミサイルの開発に成功したと発表した。
このミサイルは、核弾頭の搭載も可能で、大気圏の内外を、音速の5倍以上の速度で飛行できる。
しかも、ミサイルの軌道が複雑なため、迎撃が極めて難しいということだ。
驚くべきことは、ロシアが、既にウクライナで使用した、この極超音速ミサイルの開発に、アメリカがまだ成功していないということだ。
既に、北朝鮮が、核爆弾や核弾頭ミサイルの開発に邁進している。
さらに今回、イランが、核弾頭を搭載できる極超音速弾道ミサイルの開発に成功した。
最近までは、軍事大国のアメリカとロシアが、世界を牛耳っていた。
しかし、今では、人口大国の中国やインドが、新しい軍事大国として台頭してきた。
それに加え、核兵器大国を目指す、北朝鮮やイランが台頭してきたのだ。
最早、この世界は、先進国を自認するイギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどの旧大国や日本などの西側諸国が、いくら束になって経済制裁を行なっても、お手上げの状態。
昔は、アメリカをリーダーとする西側諸国は、世界を従わせる力があった。
しかし、今では、アメリカに従わない大国が、ロシア、中国、インドの3か国になったせいで、世界のパワーバランスは大きく変わった。
最早、アメリカ一国の力では、アンチ西側諸国を黙らせることはできない。
それどころか、西側諸国とアンチ西側諸国の軍事バランスは、益々、アンチに傾いていくばかり。
この世界は、一寸先は闇の時代に入ってしまったようだ。