Hiroshi Mukaide(向出博)Time Traveler

強い人たちの世界 弱い人たちの世界

子供の頃、この世界は、ひとつだと思っていた。

しかし、違った。

この世界には、「強い人たちの世界」と、「弱い人たちの世界」のふたつがある。

強い人たちの多くは、生まれながらに、富と幸運を持つ。

弱い人たちのほとんどは、生まれながらに、貧しさと不運を持つ。

そんな人たちを、いまだに同じ土俵で戦わせている。

それが資本主義。市場経済が席巻したこの世界を支える競争のルール。

強い人たちと弱い人たちの競争だから、勝敗など、初めから決まっている。

ただ、強い人たちも、いつまでも強いわけではない。

一歩間違えば「突然」、あるいは、歳を取れば「必ず」弱い人になる。

「弱い人たちの世界」への仲間入りだ。

弱い人たちも、いつまでも弱いわけではない。

努力と忍耐や才能で、あるいは、ある日「突然」強い人になる。

「強い人たちの世界」への仲間入りだ。

しかし、こんなふたつの世界を行き来する人生なんて、不安定で、ストレスが大き過ぎる。

ところが、世の中には、「それこそが人生の醍醐味」、「人生波瀾万丈」などと、意に介さない人もいる。

そうは言っても、生まれてから死ぬまで、強い人であり続けることなどできないのだ。

すくなくとも、死ぬときには。

結局、私たちは、強いときには「弱い人たちの世界」のことを考えないようにして生きているだけ。

しかし、強くても「突然」、あるいは、いつか必ず「弱い人たちの世界」の住人になる。

それが、生きとし生けるものの運命。

いつまでも、見て見ぬ振りをして生きていくことなどできないのだ。

不条理な現実を、ありのままに認めて、全ての人が、豊かに生きることができる世界を創れないものか。

それには、現在の「強い人たち」の力が必要なのだが。

 



 

 


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「政治・経済・ビジネス」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事