あまり想像したくないが、アメリカや西側諸国は、台湾、韓国、日本を極東の「自由と民主主義」の先鋒として、中国、ロシア、北朝鮮と戦争させたくてしょうがないのではないかと勘ぐってしまう。
欧州西側諸国にとって、隣り合わせのウクライナでの戦争は、あまりにもリスクが高過ぎる。
それに比べ、極東なら対岸の火事ですむ。
そんな物騒な世界情勢なのに、日本メディアは、どうかしている。
戦争をスポーツの勝ち負けのように扱って、日本を西側諸国のアジア代表に仕立てたいのかと恐ろしくなる。
「ロシアのウクライナ侵攻」や「北朝鮮のミサイル発射」を受けて、紀元前の「ギリシャvsペルシャ戦争」のように、「自由と民主主義を愛する西側諸国」対「専制主義国家」の戦いと囃し立てて、まさにハリウッド映画レベルの時代錯誤。
だいたい国会議事堂襲撃事件が起きたアメリカの、一体どこが自由と民主主義国家なのか不思議なくらいだ。
ただアメリカの場合、その程度のことは許されるらしい。
さらに言うと、イスラエルの場合も許されるらしい。
ダブルスタンダードの典型だ。
さて、話を進めよう。
だいたい、北朝鮮からのミサイルが、10分足らずで日本に飛んで来るというのに、一体どうするのか。
現在のミサイルのスピードと精度から言えば、今の日本なんて、どこに居ても最前線。
そんな最前線なのに、首相とその取り巻き以外の全国民には、隠れ場所も逃げ場所も無い。
日本人が生き残りたければ、日本国を地下に移して、国民を地底人にでもしないと、防ぎようがないだろう。
ロシアとウクライナの戦いだって、当初メディアによれば、士気が低く、弱過ぎるロシア軍は、西側諸国の支援を得て愛国心に燃えるウクライナ軍の返り討ちにあって、ボロ負けするはずだった。
しかし、そのロシア軍に撤退の兆しは無い。
それどころか、西側諸国の経済制裁でボロボロなになるはずのロシアが、意気軒昂なウクライナの猛攻に恐れをなして、西側諸国に無条件降伏するなどと言う兆しも全く無い。
冷静中立になって、今の世界の現実を、客観的に見れば、ロシアやウクライナばかりでなく、欧州諸国だって絶対絶命。
おそらく一人ほくそ笑んでいるのは、アメリカだけだろう。
アメリカは地政学的には、核戦争さえなければ絶対に安全。
血を流さずに、戦争をビジネスにできる、世界で唯一の完璧な資本主義国家だ。
ウクライナ人だって、ロシア人だって、中国人だって、北朝鮮人だって、アメリカに生まれたかったと思っているかもしれない。
私もアメリカに留学したとき、そう思ったからだ。
アメリカは膨大な資源、広大な土地、住みやすい気候。
争いにまみれたユーラシア大陸やアフリカ大陸から遠く離れ、地政学的にも天国だ。
そんなアメリカに比べ、日本は、西側諸国の中でも、絶対絶命の大本命。
何せ日本は、今戦場になっているウクライナと同様、西側諸国の最前線。
しかも、その最前線で対峙する相手は、ウクライナの場合はロシアだけ。
しかし、日本にはロシアに加え、急先鋒の北朝鮮、さらには宗主国アメリカ次第で、中国とも敵対しなければならなくなる。
日本だけで、ロシア、中国、北朝鮮と戦えと言うことになるかもしれないのだ。
台湾と韓国のために。
もうここまでくると、日本は、まさに西側諸国の「自由と民主主義」を守るための、ウクライナに続く、第二の生け贄ということになる。
それでも「自由と民主主義」のためなら、命は惜しくないという勇敢な日本人にとっては、この上ない名誉かもしれない。
日本人の血で、専制国家の侵略から、自由と民主主義の西側世界を守った名誉ある民族として、末永く語り継がれるかもしれないからだ。
まさにロードオブザリングの世界観。
もし台湾有事に日本が介入したら、その時点で日本は世界史から消え去る。
世界各国から見れば、クソ真面目でジャマな競争相手が減ってウェルカムだろう。
それが資本主義。
こんな話を「冗談じゃない」と言っていられる今のうちに、何とかしないと手遅れになる。
弱肉強食化した世界の中て、日本が生き残るには、ダブルスタンダードだろうがトリプルスタンダードだろうが何でも有りのマキャベリズム的外交だって必要かもしれない。