「い大学に入って、いい会社に就職できれば、人生ハッピー」なんて言われて久しいが、こんな手段と目的をはき違えた、ステレオタイプな考えが蔓延してから、どうも、この国は、おかしくなったと思う。
人間の価値や評価を、22歳かそこらまでの学歴で判定しようとする今の日本の風潮にはウンザリする。
たまたま経済大国に成り上がった日本に生まれただけで、まだ何も成し遂げていない若者に「君らは凄い」なんて慢心を植え付けて、お祭り騒ぎをしてきたこの国は、案の定没落し、今や崖っぷちだ。
だいたい日本なんて、アメリカや中国やインドやロシアのように広大な国土や豊かな資源があるわけではない。
1億人を超える人口だけが取り柄のちっぽけな災害大国に過ぎない。
しかも、取り柄だった人口も少子高齢化で右肩下がり、それどころか生産年齢人口は激減している。
そんな日本で金融緩和を続けたところで、働き手不足では、経済が成長するはずがない。
日本のお家芸の人海戦術による万歳突撃が不可能になった今、この国が国際競争を勝ち抜いて復活するには、サイエンスとテクノロジーしかないというのに、日本は文系出身の政治家や官僚、経営者だらけ。
さらに最近では、サイエンスやテクノロジーとは全く無縁の私大文系出身者が跋扈している。
こんな日本に誰がしたと叫びたくなる。
昔、アメリカのコーネル大学のロースクールに留学していたとき、理系の教授から言われたことがある。
「なぜロースクールなんだ、金のためか、若い創造力の無駄遣いだ」と。
確かに、法律なんて「暗記の学問」の最たるもの。
この世界が、100人の世界なら、法律を学ぶなんて、無価値だと断言できる。
そんな暇があるなら、額に汗して、とっとと働けと言われるだろう。
どうもサイエンスやテクノロジーとは全く無縁の私大文系の人間が、のさばり出してから、この国はダメになった気がする。
SF映画でも真面目な科学者の邪魔ばかりして、全く役に立たないのが文系出身の政治家や法律家というのは、真実を突いていると思う。
昔、数学や物理が好きで理系進学を目指していたが、欲に駆られて紆余曲折の挙げ句、私大文系に進んだ経験から、余計にそのように感じるのかもしれない。
私大文系出身者として大いに反省している。