さんちかショッピング街の
ふたつのなんで?
神戸には、地下街が「メトロこうべ」「デュオこうべ」「さんちか」
と3つの地下街があります、そのうちの「さんちか」についての疑問です。
疑問1.地下なのにショッピング街が坂道になっている。
疑問2.10番街まであるのに実際は9ブロックしかない。
この二つの疑問について調べてみた。
さんちか全体図
まず第1の疑問
神戸は坂道の街と言われるが、「さんちか」は地下街なのに坂道がある、
一般的には、地下ショッピング街自体は平面のところが多く、
地下街と他の施設などとの連絡通路などは坂道とか階段になっている
場合がほとんどだと思うのですが、「さんちか」はショッピング街
自体が、北から南にかけてだらだらと下り坂にないっています。
これはどうしてでしょう?
さんちかの上は、通常フラワーロードと言われている道路になります。
ここの地盤を調べてみました。北から南へ高さに3.32mもの差があります。
実はここは、昔は生田川だったのです。
明治の初めまでは、生田川は川幅90m前後で布引から西にカーブしながら
南に流れていました、今のフラワーロードの位置です、滝道とも呼ばれていました。
当時の川は通常の時は、水量もわずかですが少しでも大雨が降れば常に氾濫して
いました、六甲山系から流れ出る花崗岩の土砂が流出し、生田神社の東側や
居留地、港など川の沿岸地域に大きな被害をもたらしていました。
明治に入り居留地が栄え始め、外国人が多く住むようになり、
居留地側から当時の政府に対し、洪水での水害などの改善が要望され、
対応することになり、この工事を請け負ったのが加納宗七という人物です。
加納宗七は、紀州の生まれで、その後神戸に来て材木商を営んでいました。
神戸が開港早々で、材木の需要が多く、これで財をなしたようです。
1871年(明治4年)3月10日に着工しわずか3か月後の6月9日に
新生田川(現在の生田川)への付け替え工事を完成させました。
これにより旧生田川の河川敷は埋め立てられ、この河川敷と沿岸の土地は、
加納宗七に払い下げ与えられました。加納は中央に幅18mの道路を設け、
川岸部は宅地として造成しました、そしてこの地を彼の姓にちなんで
加納町と名づけられました。
東遊園地には、「加納宗七」のモニュメントがあります。
加納橋のモニュメント(明治当時の橋の欄干)
というわけで現在の「さんちか」は旧生田川の流路の河川敷跡に
造られたため、北から南へと低くなった坂になっているのです。
では第2の疑問。
さんちかは、1965年(昭和40年)に「さんちかタウン」としてオープンしました。
そして業種により、1番街から10番街までエリアごとに配置されました。
しかしこの時、4番と9番は忌数(いみかず)とし嫌われ、欠番とされました。
よって、8つのエリアと、「味ののれん街」を加え9つのエリアになっているのです。
ではなぜ「味ののれん街」は11番街にならなかったのでしょうか?
この地図にある、赤の点線部分は、さんちかができる前から
地下通路として既にありました。特に、この地下通路の
JR三ノ宮駅から「味ののれん街」に行く通路は
1933年(昭和8年)阪神電車が開通した時に造られています。
その時の建造物が現在も残っています。A14の出入り口です。
下の写真は戦災直後の写真です。
このようにA14の出入り口は戦争を体験した建造物なのです。
少し話はずれますがこの通路についてもう少しお話しさせていただきます。
この通路は写真でもわかるように出入口が4つ(私の記憶では)並んでいました。
当時はこの通路の上の道路には市電が走っていましたので、
道路の真ん中に島状になった市電の停留場がありました、
その停留場に上がるための連絡通路になっていたのです。
現在でも西側の壁には、こんな跡があります。
各出入り口には、「バスのりば」「市電・脇浜・方面」とか、
「市電・栄町・山手・石屋川・方面」などと書かれていました。
ということで、本題に戻りますが、「味ののれん街」は「さんちか」が
できるまでにあったため、そのまま「味ののれん街」となっているのです。
また、JR三ノ宮駅から「ミント神戸」までの通路は、
1956年(昭和31年)に「ミント神戸」の前身の「神戸新聞会館」が
建設されたときに出来たもので、「秀味街」と名付けられていました。
2006年(平成18年)に「ミント神戸」が建設され、
現在は「M'KITCHEN」となっています、
この通路は、別に作られたため「さんちか」の一部にはなっていません。
このように「さんちか」は、北は「北野坂」南は「東遊園地」
西は「元町大丸」までつながっており、
神戸市民にとっては生活に欠かせない存在になっているのです。
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