神戸の川は、六甲山を中心に流れ出ていますが、表(南側)に流れている
川は市街地を流れているのでなじみがありますが、六甲山から裏(北側)
に流れ出た川は一体どこに流れていくのか、調べてみました。
神戸の川の水系は、下の図のように五つに分類されるようです。
裏六甲と言われている川はこの表では、オレンジ色部分と紫色部分になります。
それでは、よくわかるために、有馬街道(R.428)をたどってみましょう。
まず、表六甲の兵庫区の平野から北にむかいます、祇園神社のところで
天王谷川が現れます。そのあとは街道の右や左になりながらほぼ並行して
小部トンネルを出たところ、「水呑」の交叉点の先で、川が左から右になります、
そのまま北に進むと、「洞川西」交差点あたりで川は右(東)の方に離れて行きます。
そこからしばらく小部峠までは道路沿いの川がなくなります。
小部峠(六甲山系の尾根)を超えて、ここからは通称裏六甲にになります、
しばらくすると右側に深い谷川が現れますこれは箕谷川です、
これが最初の六甲山系の裏六甲水系の川になります。
この川は皆森交差点の手前から少し西で志染川(山田川)に合流します。
箕谷を過ぎると有馬街道は東に向かいますその時に道路に並行して
現れるのが、志染川(山田川)です。この時川は後ろに向かって流れています。
一般に谷上地区と言われている谷間の地形を流れている川です。
ここでは、左の帝釈山系(丹生山系)からと右の六甲山系からの水が
この川、加古川水系の志染川(山田川)に流れています。
やがて道路も川も花山の手前で左にカーブして北にむかいます。
花山と大池の間、あたりで、道路沿いの北から流れてきている川と
右の方(東)から流れてきている川の合流点があります。
この地点が「出合橋」です。そのまま少し進むと直接川は見えませんが、
右側にわずかの水路があります、ここまでは後ろの方に水は流れています。
やがてこの水路も、マックスバリュの店あたりで見えなくなります。
マックスバリュのある場所は、昔は池になっていました。志染川の源の一部です。
そして大池の交差点を超え少し進むと、右側(東)の方から川が流れてきます。
この川の水は前(進行方向)に流れています、つまり大池の交差点(駅)当たりで
水の流れる向きが変わっているのです。ここからの川は「有野川」になります。
この川は有馬口の交差点を超え、五社・岡場・道場へと流れやがて、
右側からの有馬川と合流し、篠山・三田方面から流れてきた武庫川に合流し、
宝塚を流れ、大阪湾にそそがれています。これが裏六甲の川の武庫川水系です。
――ここで武庫川水系についてもう少し詳しく見てみましょう。――
この武庫川水系の、六甲山からの水流である「有野川」と「有馬川」は
どこから流れてきているのか、有馬温泉街から六甲山にかけて有馬三山と
呼ばれている(落葉山・灰形山・湯槽谷山)標高500~800mの山筋があります。
この山筋より東側の水源が有馬川に流れ、西側の水源が有野川に流れています。
有馬川には瑞宝寺谷や紅葉谷や湯槽谷などが流れ込んでいます。
六甲山頂あたりから東の船坂谷、仁川などは直接武庫川に流れ込んでいます。
一方の、有野川の方は、登山道のシュラインロードあたりから流れ出る川に
古寺山を源流とする平見川が大池あたりで合流し有野川となります。そのほか
有馬三山の西側の、シラケ谷・茶園谷・仏谷・長尾谷などの水源が有馬口あたりで、
水無川・深戸谷の水源が五社の手前あたりで有野川に流れ込んでいます。
――それでは武庫川水系と加古川水系の分水嶺はどこなのか――
先に述べたようにまず一つは大池駅あたりの古々山峠にあります。
もう一つは、大池地獄谷の東尾根にあたる通称六甲アルプスと呼ばれている
500m位の山筋が唐櫃インターあたりから六甲山の丁字が辻あたりまで
山筋があります、この山筋の北東側に発する水源は有野川へ、
南西側に発する水源の地獄谷・石楠花谷の川は志染川へ流れ込んでいます。
――では加古川水系の方を見てみましょう――
大池の地獄谷と石楠花谷から流れ出た川は、前に述べたように
有馬街道沿いに西に流れ箕谷あたりで有馬街道とは離れてさらに西に向かいます。
この志染川は山田町を流れているため、その間は山田川とも呼ばれています。
そしてやがて「つくはら(衝原)湖」にそそがれています。
この「つくはら(衝原)湖」は、志染川(山田川)を堰き止めた
呑吐ダムによって1989年(平成元年)に出来た湖です。
この湖畔には日本で一番古い家屋の箱木千年家があり、また湖畔から
中央の橋を渡り神出までの自転車道サイクリングロードが整備されています。
この衝原湖から流れ出た水流は、淡河(おうご)地区から流れてきた淡河川が
合流し、その先で、美嚢川(みのうがわ)と合流、呼び名も美嚢川となり、
三木市内をさらに西に流れ、小野あたりで加古川の本流に流れ込みます。
加古川は南に流れてやがて播磨灘に流れ込んでいます。
以上のように、裏六甲に流れる川は、武庫川から大阪湾にそそがれ、
一方は加古川に流れ播磨灘にそそがれているのです。
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