al baritono

アマチュア声楽家の独り言 ~ 歌ときどき仕事(笑)

上下前後

2011年08月03日 | 声楽
昨夜はレッスン。術後なので自主練は全くなし(汗;

でも、偶然にもひとつの壁を突き抜けました(^^
押し声の克服です!

息は前に、声は後ろに、重心は下に、響きは上に。
この前後上下に引っ張り合う張力を感じながら歌う。
音程を背中に背負って肉体的には意識しない(笑)

するすると声が出てきます。

そう、声は押し出すんじゃなくて引っ張り出す感覚です。

アルファベットの「Y」を想像してみてください。
重心は下に、息は右のツノ、声は左のツノ。
お互いが輪ゴムを引っ張り合う感じで歌うと、不思議に滑らかな響きの声が出ます。

高音に跳躍する場面でも、喉周りはそのまま、この張力を強めて息の流速を上げてやる。そうすると、声は”ぽ~ん”と高い位置に引き上げられます。

声門は肺から押し出される息の正圧で振動するのではなく、通過する息の負圧で振動する。そんな感じです。声を出すんじゃなくて息のせいで声が出る(笑)

実はこの間・・・
フォーレのレクイエムを、テノールの旋律にうっとりしながら聴いていたんです。ああ、テノールだったらなあ・・などと羨ましく思いながらね。 で、ついつい歌ってみる。押し声ではとても届かない。ファルセットなら何とか届く。
何度か歌う内に、ファルセットみたいな感じでアクートが出た(驚!
声門閉鎖はアクート。声は息で押すんじゃなくて息の流速で引っ張り上げる感じ。 届かなかった音域に届いた。これでいいの?って疑問と不安が残った。

で、昨夜のレッスン。術後なので耳もまだ聞こえが悪いし・・と言い訳をしつつこっそり試してみた。

大正解!

先生もびっくり!

そうよ!トスティはそういう声で歌って欲しいのよ!

この歌い方だと、声の始まりと仕舞いが綺麗に出来る。 ブレスさえ上手く出来ればフレーズがレガートに繋がる。

帰り道、伴奏CDに合わせてプロヴァンスを歌ってみた。 嘘のように楽に歌える。

一つの扉を開けました。超うれしい(^^