‘天国に一番近い島‘から帰国した日曜日、スーツケースを置くやいなや、Kは中学時代の同級生のお見舞いに走って行きました。
ちょうど旅の直前に『病状が急変して入院した』と知らせを受けていたF君の病院へ、です。
6年間癌と闘っていました。
帰宅したKに様子を聞くと「もう意識がなかったんだ」とひとこと。すでにモルヒネを処方された後だったようです。
努めて平常心を装ってそれ以上語ろうとしません。
きっとショックだったのでしょうがもともと寡黙な性格で、こういう時の心中は長年の付き合いなので良く分かりました。
面と向かってかける言葉がみつかりません。
月曜日、そんな職場のK宛てに気休めにしかならないメールをしました。
意識はなく会話できなかったでしょうが、きっと声は届いているはず。
モルヒネによって痛みから解放されて、彼にとっては救われたんじゃないかな、と。
珍しくKからすぐに折り返しの電話です。
「今日息を引き取ったと連絡があったわ」
本日Kに代わってご葬儀に会葬してきました。
「F君は金曜にも土曜にも危篤状態になりながら、日曜日K君が会いに行くのを待っていたかのようだったよ」
そんな言葉をかけてくれたS君。
中学を卒業してからそれぞれ違う進路で、しばらく疎遠になっていたフォークソング坊主たちは時を経てまた再開し
それぞれの人生を振り返りながら酒を酌み交わし、そして歌って。おやぢになってとてもいい時間を過ごしていた。
そんな彼らに私も混ぜてもらって、私の知らない時代のKを知り、彼らの友情を羨ましくも感じていました。
出棺の時には本人の歌うフォークの音源が流れていました。
あの歌はなんという曲だったのかな?
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