雨のふる橋の上
あの人はこどもをせおって
だれかと話をしておりました
あ々 あの声は
わすれたことのない
あの声に
私はそっと目を上げた
自転車にのった
私には気がつかず
だれかと話しておりました
お々 あの顔は
わすれたことのない
あの顔に
こうもりさすあの人は
雨の橋の上に立ってます
私は雨の音をききながら
そっとつぶやくの
「私をわすれないでね」
だけどそれは無理ね
私の心は通じない
はかないこころは
あの人にひかれる
「さようなら」
まだ雨は降っている
6月10日
つゆ
雨が降る 雨が降る
木々をぬらし道をつつみ
家々をぬらし
水たまりを作り
小川は水をたんたんとたたえ
じめじめした雨は続く
ようやく終わった田植えは
田を緑にそめ
遠くの家々はその色の上に
浮き上がり一色のどんよりした
灰色となしている
6月29日
私はかなしい
私はかなしい 私はかなしい
思い出がむねをいためる
思い出が 思い出が 私のむねをつく
あのときにあげたかったこの絵葉書を
私はとってしまった
ほんとうは ほんとうは
あげたっかたのに
私は馬鹿だった
これを上げとけば 私という物を
思い出してくれるだろうに
話をしたいばっかりに それを それを
取ってしまった あの人の家の前で
私はかなしい どうすればいいのだろう
思い出がむねをうつ
あ々 私は悲しい
7月4日
田っころがし
ざぶざぶざあごろごろぷくぷく
田植えが終わって 田っころがし
田に歯車のついたようなのをおして
あっちこっちでやっている
入梅の空は一面にどんよりしているが
人々の心はしんけんに手に力をこめ
足に力をこめ 一歩一歩力強くやっている
きっと 豊作になれるようにと
心に祈りながら
7月5日
今日は天皇誕生日です
生まれてから3度の天皇誕生日がかわりました
雨が降って寒いです
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