88beeHive's blog

ステンドグラス作り人の出店と散歩の記録

意地張りの代償

2012-06-28 20:38:34 | 思い出
  

 昔に比べると改善されたようには自分では思うのですがやはり
 人よりは大分意地っ張りだと思います。これは仲が良くなれば
 なるほどこの傾向が強くなります。けんかをすればまず私から
 謝ることはありません。それで失くしたり捨ててしまったものも
 多くあったように思います。故に数少ない我が友は大体私より
 年下であっても私よりは大人です。

  

 ずっと昔のことです。たまに旅を共にする友人と2人の共通の友人と
 3人で中国内蒙古自治区赤峰へ出かけました。
 草原で馬に乗って楽しみ翌日の夕方北京に帰る汽車に乗ろうと駅に
 行くと事故でいつ到着するかはわからないとのことでした。このまま
 駅の待合室で待つか宿に泊るか相談して昨日宿泊した宿に向かいま
 した。欲しいものをできるだけ安く手に入れる主義の友人はこの不意
 の宿泊に昨日と同じ料金を払うのが嫌なようでカウンターで粘っこい
 交渉を始めました。昨日よりちょっと安くなればいいなと思って聞いて
 いた私は彼の主義に基づく粘り強い交渉に腹を立て「オレは駅で待つ」
 と2人を残して宿を出ました。

  

 一時間ぐらいあとに友人が駅のベンチに座っている私の所に来て「宿を
 取りましたから戻りましょう」と声を掛けてくれます。(大体このパターン)
 私もすでに冷静になりそれが良いと思うのですが我が性格が邪魔をします。
 「いや、ここで待つからいい」「宿に泊った方がいいですって」「いらん」の後
 彼は帰っていきました。
 木製のベンチに座り、抱え込んだリュックに頭を乗せてうつらうつら。目覚め
 て見渡しても深夜の待合室に人気はまばら。幸いなことに季節は初夏で凍え
 る心配はありません。が、冷えた頭で思い返すと心が凍えていきます。翌日
 帰りの汽車の中で普通に話す私たちを見てずっと年下の友人は「ハラハラし
 てましたよ」とため息をつきました。
 結局、汽車に乗り込めたのは午後2時過ぎ。片意地を張った代償は駅のベンチ
 で約20時間。