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2021ザルツブルグ音楽祭の目玉、ドン・ジョバンニ放送してくれました。演出も変わっていて飽きさせない工夫が。コピー機や車が出て来たり。幾度となく見てもまた見たい気にさせる。見事です。この作品は、だいたいEUを中心に,スカートを履いている女性から恋心を言葉巧みに奪い自分の恋愛カタログ,言わば恋愛日記帳に載せることを生きる目的,楽しみとして暮らす音楽作品であります。映画スターのジェームズボンド役ショーンコネリーが,英国の税金を使い,世界の危機を救う。という筋書きに準えるなら,ショーンが騎士様となり,貴族のオーラと資産,一発で恋心を奪う歌のラブレターを使って、主にEUの女性を昼夜口説き,キュン死させて、翌朝そっと出て行く。まるでサンタクロースみたいな男の物語、被害者は、女性の男親,御婦人の旦那,結婚の約束を交わした男性。そして,ジョバンニを独占したいと目論む女性。そのドラマを天才作曲家が創る極上の音楽のオンパレードで,彩りを与えたオペラ作品。私的には、バルコニー下で,リュートを奏でながら愛しい人に捧げる歌や,恋泥棒の被害に遭った新郎が,泣きべそをかいて彼女の膝枕で優しく介抱されるシーンが印象に残ります。この作品にシエピ,ライモンデイと言ったいわゆる日本の織田信長役者クラスが,どーんと登場するわけです。豪華ですよ。ちょっと憎たらしい。この作品を見るたび、憎たらしいジョバンニの口説きのテクニックやら泣き喚く男性被害者,恋泥棒被害者を素敵なサウンド付きで拝見する。たまりませんのー。心が寒いわ。無人島に行くときは,ジョバンニとフィガロを持っていけば,人間性を失わずに済むと思います。おしまい。
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