タイトルからして、食品加工業の裏側の実態を暴いたルポものかなと勝手に想像して、勝手にワクワクしながら読んでみた……。
えーっと、ようするに、これは出来合いの弁当やインスタント食品は添加物がいっぱい入ってるから危ないよ、という警告本でした。
ただ、従来のこの手のホントちょっと違うのは、冒頭で「食品添加物の危険性だけを騒いでも意味がない」と断ってること。
確かに危険かもしれないけど、そのリスクを補ってなお添加物には「安さ」「手軽さ」「便利さ」のメリットがあるのだと。
だから、添加物の危険性をアピールするよりも、加工食品はいかにして作られるのか、という「添加物の情報公開」を企図して、この本は編まれているという。
確かにオレ的には2章の「食卓の調味料が「ニセモノ」にすりかわっている!?」のところは、けっこう読み応えがあって面白かった。
「純米みりん」と「みりん風調味料」ってのが、どう違うのか、とか。
詐欺ギリギリの印象操作だもんな、これって。
でも、面白かったのは、ここぐらいかな。
著者は公演活動で有名な人らしくて、おそらくこの現行も公演の内容からブラッシュアップしてるんだろうけど。
もうちょっと読み物として、テキストを工夫してほしかった。
たとえば、同じ内容のことを何度も繰り返すとか、「~は大変なことです」「~考えてください」と結語がワンパターンとか。
おそらく、公演では内容をわかりやすくするために繰り返し説明しているのかもしれないけど、紙ベースの書籍は繰り返し読めるんだから、同じ内容を繰り返す必要ない。
正直、後半は同じパターンの繰り返しで飽きた。
それと最終章の恣意的な誘導も、なんだかな~ってカンジだった。
結局、添加物を食べ過ぎ――もう少し拡大解釈して出来合いの弁当を食べ過ぎるとアウトっていう、当たり前で無難な結論に落ち着いちゃってるんだもん。
たぶん、この手の結論に至ってる本をすでに読んでいるのなら、改めてこれを読む必要は……?
とりあえず、コンビニ弁当の添加物危機に闇雲に右往左往したい人にはお勧めかな。