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同人サークルA-COLORが北海道をうろうろしながら書いているブログです

記録映像 上映会にいってきました~

2012-02-26 21:31:46 | イベント

Dvc00095そらち炭鉱の記憶マネジメントセンター」で行われた「記録映像 上映会」に行ってきました。
毎回、土木や建設、鉄道といった産業のテーマを決めて、それにかかわる記録映画を上映するというものです。

今日は「住友奔別炭鉱の姿」というテーマで、炭鉱の記録映像『住友の炭鉱』『立坑』『愛と希望の炭鉱』の3本立てでした。
いずれの作品も奔別炭鉱が現役だった頃のものです。
稼働している炭鉱や町の風景を捉えており、かなりおもしろかったです。
特に3本目の『愛と希望の炭鉱』は、この手の記録映像にしては珍しく劇映画となっています。
しかも、お話によると主演が『キカイダー01』の池田駿介さんとのこと。
これは産業史的にも、日本映画史的にも貴重な一作なのではないか、と思います。

これらの記録映像は、企業やお役所のPRが目的のものが多く、なかなかソフト化されにくいものばかりです。
フィルムでしか残っていないものばかりなのですが、その管理もけっこういい加減らしいです。
そもそも、フィルムは経年劣化していくもので、時間とともに「見られなくなる」ものです。

また、インターネットで検索しても記録すら残っていないものも多いです。
『愛と希望の炭鉱』についても、キネマ旬報のバックナンバーで、かろうじて名前を見ることはできました。
でも、池田さんのフィルモグラフィーにも載っておらず、そもそも作った東映も旧・通商産業省でさえ把握していなかったそうです。

う~ん、これでは人知れず映像がどんどん失われてしまう…ヤバいんじゃないかな~。
って、我々以外にもそう思っている方はいたようで、かつて経済産業省の肝いりで「文化財等に関する情報のデジタル化保存の方策に関する調査―わが国戦後産業史を描く産業映像500―」っていう調査を行ったようです。
戦後産業史を描く産業映像500

ここは産業映像のデータベースにもなっており、このデータベースだけでも一見の価値ありです。
んで、ここの「はじめに」を読むと上に書いたような懸念が、やはり書かれていました。
とはいえ、この調査でも『愛と希望の炭鉱』などの作品は漏れてるんですね、500本も調査したのに。
産業映像・記録映像だけにこだわらず、炭鉱を扱った映画全般ということであれば「日本の炭鉱映画史と三池」(PDFです)の論文にあるリストが、すごく充実しています。

でも、これらのデータベースやリストでも、映像そのものを見られるわけではありません。
いろいろ、しがらみやら何やらが絡まってソフト化も容易じゃないんでしょう。
だけど、こうしている間にもフィルムは失われていくわけで…。

そういった諸々のことを考えて、今回の上映会はすごく楽しくて、有意義なものでした。
ネットで調べると、以前から各地で似たような上映会が催されていたようです。
今のところ我々がこれらの映像を見る手段は、こういった上映会に参加するしかありません。
「記録映像 上映会」は3/24までやっているので、興味のある方はぜひ「そらち炭鉱の記憶マネジメントセンター」へ!


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