【横浜-波佐見】1失点完投した波佐見のエース松田=甲子園
九州屈指の右腕は、最高の形で全国デビューを飾った。波佐見のエース松田が、過去5度の甲子園優勝を誇る横浜打線を相手に1失点完投。選抜初出場のチームを勝利に導き、聖地で強烈な印象を与えた。
初回からエンジン全開だった。1球目から140キロ台の直球を連発し、自己最速の148キロも記録。変化球を見極められ、毎回のように得点圏に走者を置いたが「自信を持っている直球で気持ちを強く持って投げた」。気迫のこもった手元で伸びる剛球は、ピンチでこそ真価を発揮。六回2死満塁、好打者の乙坂を徹底的に内角攻めして三振で切り抜けるなど、要所を締めた。
昨秋の九州大会は終盤に球速が落ち、勝負球をとらえられた。冬場に走り込みで体力をつけ、疲労をためにくい投球フォームに修正。この日は170球を投げたが、最後まで直球は140キロ台を保っていた。得永監督は「格段にスタミナがつき、球威も増した。成長した」と賛辞を贈った。
自身初となる全国舞台のマウンドに「最後まで思い切り投げた。勝てたから百点」と納得の様子。だが、「四死球を8個与えたのは課題」と2回戦以降へ反省点も見えている。強心臓の右腕は、甲子園でさらなる進化を遂げる。
(3月25長崎新聞掲載記事)