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国立西洋美術館 カラバッジョ展記念講演会 『ローマとナポリにおけるカラヴァッジョの継承者たち』

今日は、国立西洋美術館でカラバッジョ展講演会の聴講。

今日の講演会は、全部で4回あった講演会の最終回で、
講師は、この展覧会監修者で、国立西洋美術館研究員の川瀬佑介さん。
テーマは、「ローマとナポリにおけるカラヴァッジョの継承者たち」です。

前回の講演会が大混雑でしたが、今回も大混雑。
聴講券配布30分前に行ったんですが、既に、長蛇の列でした。
凄いなあ。
これまでの国立西洋美術館での講演会で、
これほど混んだのは見たことが無かったんですが、
カラバッジョ展は、何なんですかね?

興味深かったのが、
「カラバッジョは工房を持たず、弟子を取らなかった」と言う事。
そう言えば、カラバッジョって、喧嘩っ早いとかありました。

今回のテーマのカラバッジョの継承者をカラヴァジェスキと言う
そうですが、その人達に共通することとして、
先のように弟子は居なかったので、直接教えを受けたというわけではなく、
カラバッジョの絵を見て影響を受けたと言う事があるそうです。

しかも、カラバッジョは他人に真似をされるのは嫌いだった様で、
カラバッジョが生きていた頃、自由に模写出来る人は居なかったみたいです。
また、それは、似た絵の注文を請けたとき、
カラバッジョは工房を持たなかったので弟子に書かせる事は出来ず、
自分で描いたということにも通じるそうです。

カラバッジョが後世に影響を与えたものの一つに、光があります。
そう言えば、カラバッジョの明暗の描写は、
「レンブラントみたいだ!」と思ったんですが、
レンブラントも、カラヴァジェスキの一人なんですねぇ。

そんな、非常に多くの後世の画家達に影響を与えたカラバッジョですが、
カラバッジョを模した最初の画家は不明なんだそうです。

そう言う前提の上で、
最初期のカラバッジョの影響を受けた画家
=第一世代(バリオーネやジェンティレスキ)は、
カラバッジョより年長で、既に自分のスタイルを確立し
画壇で活躍していた人物たちと言う特徴があり、
その次の第二世代は、ほぼカラバッジョより年少で、
カラバッジョが死んでから活躍した人達と言う特徴があるそうです。
って言うか、第二世代は良いとして、
自分よりも先に活躍していた先輩にも影響を与えるカラバッジョって、
凄いなあ。
それだけ衝撃的だったんですかね。

以上は、ローマにおけるカラヴァジェスキの話ですが、
少しだけ、ナポリにおけるカラヴァジェスキについて。

ナポリにおけるカラヴァジェスキの特徴しては、
主題によってカラヴァジズム様式で描いたり、
そうじゃ無い様式で描いたりと、描き分けたと言う事があるそうです。
その為か(あるいは、意図してなのかもしれませんが)、
ナポリでは、教会の祭壇画として描かれている
カラヴァジェスキの作品が数多くあるそうです。
(ローマではそう言うことはない)

また、主題に寄って描き分けるという事をしたからかもしれませんが、
ナポリにおいては、カラヴァジズムは長生きしたとも言っていました。

いやぁ、興味深い話が盛りだくさんで、
中々良い講演会でした。
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