課題「わかりにくさの再考」では,受講生のグループがそれぞれまちや建物で「わかりにくい」と感じること,感じたことを話し合い,なぜわかりにくいと思うのか,どのように改善すればよいかをフィールドワークや文献調査,ディスカッションを通して考え,提案します。
このとき,課題「身体障碍の体験」を受けて,都市空間や建築空間を利用する際に感じうるさまざまな困難を踏まえた上で,と設定しています。
また,発表のあとでグループでそれぞれの発表に対する質問や意見を話し合い,質疑応答を行います。
2021
2021 地域施設計画論 わかりやすさの再考:
2021 地域施設計画論 わかりやすさの再考:
2021 地域施設計画論 わかりやすさの再考:
2021 地域施設計画論 わかりやすさの再考:
2020
2020 地域施設計画論 わかりやすさの再考:
2020 地域施設計画論 わかりやすさの再考:
2020 地域施設計画論 わかりやすさの再考:
2020 地域施設計画論 わかりやすさの再考:
2019
2019 地域施設計画論 わかりやすさの再考:
2019 地域施設計画論 わかりやすさの再考:
2019 地域施設計画論 わかりやすさの再考:
2019 地域施設計画論 わかりやすさの再考:
2018
2018 地域施設計画論 わかりやすさの再考:書店における‟わかりやすさ”と‟わかりにくさ”の概念整理
2018 地域施設計画論 わかりやすさの再考:大学キャンパス内におけるサイン計画の比較・検討
2018 地域施設計画論 わかりやすさの再考:駅直結商業施設のわかりやすさの再考
2017
2017 地域施設計画論 わかりやすさの再考:バス停のサイン計画
2017 地域施設計画論 わかりやすさの再考:電大サイン計画(5号館完成記念)
2017 地域施設計画論 わかりやすさの再考:図書館でのサイン計画
2017 地域施設計画論 わかりやすさの再考:防災アプリの検討
2017 地域施設計画論 わかりやすさの再考:駅エレベーターのマナーサイン
2016
2016 地域施設計画論 わかりやすさの再考:製図室ゴミ問題
2016 地域施設計画論 わかりやすさの再考:図書館のサイン計画
2016 地域施設計画論 わかりやすさの再考:商業施設のフロアマップ
2016 地域施設計画論 わかりやすさの再考:駅連結型施設でのわかりやすさ
2016 地域施設計画論 わかりやすさの再考:オリンピックに向けたIC+ピクトグラム検討
2016 地域施設計画論 わかりやすさの再考:街の魅力を伝える地図
2015
2015 地域施設計画論 わかりやすさの再考:車いすでのメディアセンター利用
2014
2014 地域施設計画論 わかりやすさの再考:電大サインの再考
2014 地域施設計画論 わかりやすさの再考:駅ビル内デパートにおけるサイン計画
2014 地域施設計画論 わかりにくさの再考:東京駅構内における空間認識
2014 地域施設計画論 わかりにくさの再考:駅構内案内表示と案内スペースの検証と提案
2013
2013 地域施設計画論 わかりにくさの再考:バスラッピングによる路線のわかりやすさ
2013 地域施設計画論 わかりにくさの再考:図書館のわかりやすさの再考
2013 地域施設計画論 わかりにくさの再考:ASAKUSA ~外国人観光客へのわかりやすさ
2013 地域施設計画論 わかりにくさの再考:ターミナル駅におけるバス停のサイン
課題「身体障碍の体験」では,身体障碍に関する簡単なレクチャーのあと,受講生がそれぞれまちや建物で「不便」を感じること,感じた経験を挙げます。
その回答を元に,類似した回答をした受講生でグループをつくり(興味関心が類似した受講生が集まることで話をしやすいようにというねらい),
そのグループで自由に設定した課題について,それぞれ調査とディスカッションを重ねて発表をします。(掲載している成果は一部です)
2021
2021 地域施設計画論 身体障がいの体験:駅改札から駅ホームまでの高齢者体験
2021 地域施設計画論 身体障がいの体験:視覚障害の体験
2021 地域施設計画論 身体障がいの体験:松葉杖体験(大学内)
2021 地域施設計画論 身体障がいの体験:松葉杖体験(大学周辺)
2020(COVID-19の影響で,個人課題として実施。数が多いのですべてを掲載していません)
2019
2019 地域施設計画論 身体障がいの体験:聴覚障害の体験
2019 地域施設計画論 身体障がいの体験:片麻痺の体験
2019 地域施設計画論 身体障がいの体験:視覚障害の体験
2019 地域施設計画論 身体障がいの体験:足の不自由の体験
2019 地域施設計画論 身体障がいの体験:聴覚障害の体験(区役所)
2018
2018 地域施設計画論 身体障がいの体験:駅構内における車いす利用者の経路探索体験
2018 地域施設計画論 身体障がいの体験:音情報に関する障がい
2018 地域施設計画論 身体障がいの体験:街中に潜む色の危険性 〜弱視と色弱に着目して〜
2017
2017 地域施設計画論 身体障がいの体験:半身麻痺の体験
2017 地域施設計画論 身体障がいの体験:妊婦&ベビーカー体験
2017 地域施設計画論 身体障がいの体験:弱視体験
2017 地域施設計画論 身体障がいの体験:点字ブロックを活用した通行補助機能の提案
2017 地域施設計画論 身体障がいの体験:音に着目した高齢者体験
2017 地域施設計画論 身体障がいの体験:下肢骨折を想定した車いす体験
2016
2016 地域施設計画論:身体障がいの体験:スタイリッシュの罠
2015
2015 地域施設計画論 身体障がいの体験:街中の車いす移動
2015 地域施設計画論 身体障がいの体験:高齢者の疑似体験
2014
2014 地域施設計画論 身体障がいの体験:骨折と学生の日常生活
2014 地域施設計画論 身体障がいの体験:視覚障がいの体験
2014 地域施設計画論 身体障がいの体験:高齢期の移動と外出体験
2014 地域施設計画論 身体障がいの体験:聴覚障がいの体験~音によるサポートの再認
2013
2013 地域施設計画論 身体障碍の体験:視覚障碍バリアフリーに端を発する大学でのサイン計画
2013 地域施設計画論 身体障碍の体験:子育てしやすい環境の考察
2013 地域施設計画論 身体障碍の体験:駅ホームにおけるサイン提案
私たちは松葉杖での日常生活を体験しました。
この中で見た目で分かりやすいのが視覚障害や肢体不自由などの身体障碍です。街中で松葉杖を利用している方や車いす利用者の方を見かけることがあり、今回は身の回りで目にする機会で多いであろう、身体障碍の中の肢体不自由に着目しました。
事前に,一般的に使われている杖の種類を調べてみました。一つ目は松葉杖。足などを骨折している方の多くが使っているのがこのタイプです。
2つ目はロフストランドクラッチ。前腕固定型杖といい、握力が十分にない方には有効なタイプです。
3つ目は多脚杖。把手(とって)は一つだが脚が3,4本に分かれていて着地面積が広く安定してい転倒の恐れが軽減するタイプ。
4つ目は1本杖。腕の力があり、歩行バランスが比較的よい方向けで、一般的なステッキ型と体重のかけやすいT字型があリます。
今回は4つの杖から一般的に使用される、松葉杖を使用します。
準備として、松葉杖の高さの調整手順として以下の3つの手順があります。
また、松葉杖の使用上の注意点がいくつかあり、1つ目は脇で支えない。2つ目は進行方向へむかって大きく杖を出さない。この2点に配慮し今回の検証を行いました。
まず体験1について。大学から河川敷までの間で、課題となりそうなポイントは長距離、長時間の移動での個人的要因や階段・スロープなどの環境的要因があります。
スタートは大学内。構内は勾配がなく楽に進めます。
三号館の前に移動する。三号館前のタイルは松葉杖の利用に関してはほぼ影響がないが、車いすの利用に関しては車いすがガタガタ揺れ、進みにくく普段より力を必要としました。
商店街のタイルは凹凸がなくどちらも影響を受けなかったが、道端に止まっているトラックなどをよける際、道の真ん中まで行き、対向車が来ているかの確認をする必要があり少し恐怖を感じました。
河川敷まで進み、階段やスロープを上り下りしてみました。松葉杖は移動する際、幅をとるので階段の利用は幅が狭いと困難でした。スロープに関しては松葉杖では楽に上れるが、車いすでは継続的に腕を動かすことになり、腕の力と気力が必要です。下りに関しても車いすはスピードが出てしまう恐怖を感じながら下らなければならなかった。
途中の住宅街のアスファルトでは車いす利用者への影響が大きく感じました。整備されていないところが多く、凹凸している箇所に何度も足を取られ進行を妨げられました。1度はまると抜け出すのが難しい場合もあリます。
公園での砂の上ではどちらも影響を受けませんでした。
砂が関係しているのかは不明ですが、たいした段差に見えない段差を超えられませんでした。
次に体験2についてです。マルイでの買い物で、課題となりそうなポイントは人混みや狭い通路の多さ、また移動だけでなく買い物をするという動作が必要になることです。
体験1の階段のところでも話したように、松葉杖は幅をとるので、1人乗りのエスカレーターではスムーズに乗るのが難しいかもしれません。
買い物の場所は狭い通路が多い百円ショップを選びました。松葉杖で両手がふさがるので買い物かごを持つことや商品をとる事に苦戦しました。
狭い通路でも人とすれ違わなければならないので、買い物かごを持ちながらは至難の業です。
下の段の商品を取るときは松葉杖をどかし、片足でスクワットをしている状態になり、筋力が少ない方にとってはかなり大変だと思いました。
体験①②で感じたこととして、松葉杖に関しては、路面の凹凸や砂などの影響をあまり受けず、ただぬれてるマンホールなど滑りやすいところは避けなければなかったです。
また両手があかないこと以外に不便さをあまり感じないが、腕だけでなく腹筋や背中、足にも疲労が来ました。
車いすに関しては、松葉杖と比べると体への負担は少ないと感じられたが、少しの段差や勾配に大きく影響を受けました。また、上り下りができないなど日常生活とのギャップを感ました。
以上の体験①②から改善案として、利用者としてはロフストランドクラッチを使うことで両手を空けることや腕への負担を減らすことができます。設計者としてはオシャレになるからと言って安易に段差を設計してはならず、周りの人としては優先される人に対して思いやりを持つことが必要だと思いました。
次に帰宅ルートを体験しました。
徒歩や電車、バスを利用し帰宅しましたが、通常時の帰宅時間より倍の時間がかかり、
普段乗らないバスなどの利用もあり、身近な駅の交通機関の把握も必要だと感じました。
初めに近くの喫煙所です。ここでは、壁はガラスで扉が透けているため見通しがよく、接触事故などが起きない安心感を感じることができました。
サインと配慮については以下の3つを対策案とします。
まず一つ目として分かりやすいサイン、これは歩行中でも目につきやすくすることで歩行の流れを止めず周囲の方との接触を避ける手助けになります。
例として、足元付近にサインを置いたり、改札を通る前に確認しやすいサインを設けます。
二つ目は電車内の通路と座席です。関西の方で体験した二列の座席や自由な開閉座席を設けることで身体にかかる負担の軽減や周りの人が自然に配慮できる環境になると思います。
二つ目は電車内の通路と座席です。関西の方で体験した二列の座席や自由な開閉座席を設けることで身体にかかる負担の軽減や周りの人が自然に配慮できる環境になると思います。
三つ目に障がい者への思いやりです。障がい者は日常に不便なことが多いため、健常者は自然に気をつかう思いやりを持つことが大事だと思います。
次に気になったのが、ホーム上や改札の狭くなっている道や隙間です。以下の6点が気になりました。
特に、道幅が狭く線路に落ちそうになったり、人に気を遣う点が印象的でした。
これらの対策としてホームドアの設置、改札やホームの通路を広くするなど事例から、精神的なストレスも軽減できると思われます。
バスでは、特に段差が高いことが気になりました。対策としてノンステップバスのような乗り降りが楽になる配慮が必要だと思います。
住宅街にあった歩道では、狭いうえに水勾配があり歩行が困難だったため、車道を歩いてしまい危険だと感じました。そのため道幅を広くするような対処が必要だと思います。
今回の松葉杖の体験を通して、日常生活の中に不便な建築的な要素が多いことを知りました。
これらの5つの要素に配慮し設計することで障がい者にとって身体的にも精神的にも優しい暮らしを提供できると考えます。
都内には、4.3人に1人高齢者の方が日々生活している。老化に伴い、全ての人が無自覚のうちに、触覚、知覚、視覚が衰えている。そこで、高齢者目線での体験を複合的に行うことにした。是非将来の自分を想像しながら聞いてください。
調査対象地は、渋谷・新宿・池袋などに次いで、1日の乗降者数が、各路線合わせて、約150万人の北千住駅と、
昨年3月に開業した、高輪ゲートウェイ駅です。高輪は、駅前の大きな広場をオリンピックのパブリックビューイングに活用しようと計画されており、また、駅周辺は開発途中であるため、今後利用者の増加が見込まれる駅です。
視覚:高齢性黄斑や、見えにくさを再現する為に、黄色のフイルムをはっためがねを装着する。
触覚:軍手で、感覚を鈍らせる
聴覚:イヤフォンで聞こえずらい状況にする
高齢者の状況再現として、おもりを付け動きにくくする。
また、肘と足の関節にラップをまき、可動範囲器を減らした。
このような重装備で体験しました
朝と夜の時間帯に行う。駅にアクセスし、切符を買い、ホームに行き、電車に乗車するまでを体験する。移動手段として、階段、エレベーター、エスカレーター、手すりやトイレ、売店を利用したりと、計15項目の活動を体験しました。夕方、帰りはあまりの疲れでどこもよらず帰りたいほどでした。行きに、お茶を買ったりすると、時間がかかりました。
まず、駅へアクセスしました。アクセス途中にロッカーがありました。利用する際に可動範囲で不便に感じることがありました。高低差があり,高い位置または,低い位置のロッカーは膝,肘の可動範囲に大きな負担がかかります。体験した体感は低い位置のほうが,膝や腰に負担がかかりました。
負担が少なく利用しやすい高さ位置
高輪では、駅名がJRの駅で唯一、明朝体で書かれており、スタイリッシュである一方、字が細く、見えづらいデザインです。
次に「階段」を利用しました。北千住駅構内には様々な階段が存在しました。
視認性を高める工夫がみられましたが,主に段鼻に溝があるパターンと,段鼻に黒いマーキングがあるパターンの2種類ありました。
弱視の方からみると,黒いマーキングがある方が区別がつきやすいです。
手すり付近には赤と黄色の印がありました。
赤色は黄色眼鏡をかけても判別でき,弱視アプリでは黄色の印の方が判別しやすいです。
高輪の階段は、踏面と段鼻のコントラストが強く、弱視の方も見えやすいデザインでした。
(どこでもそうですが,時間帯:明度比&輝度比と見る角度による影響もあります)
次に「エレベーター」を利用しました。エレベーター入口の周りに情報が多く,わかりにくいです。
エレベーター内部のボタンに多くの情報が文字で説明されていました。全て黄色ベースに黒文字の同じデザインのため,見えづらいです。
また,エレベーターを降りてから,ホームの椅子までの位置がかなり遠いです。
高輪のエレベーターは、2方向開閉式で、車いす利用者が方向転換しなくても、乗り降りできるつくりとなっていました。中に車いす用の鏡がついており、またホームにてエレベーターを降りた735cm先の動線上にベンチがありました。
「エスカレーター」を利用しました。エスカレーターの黄色の枠線は高齢者からみると白く見えますが,黒と差別化できているため,利用には困ることはありませんでした。
疲れているときにエスカレーターを利用することは降りるときが大変であり,事故につながるリスクがあります。
■高輪のエスカレーターの速度は、高齢者が使うには、このように早く感じました。私はこの日の朝、寝不足でとても疲れていたためか、朝の方が早く感じました。
(周囲の人流:群衆流動の状況によっても,体感速度や歩行ペースの自由度は大きく異なります)
次に「切符」を買いました。-1-2-傘の柄をストップさせるものがないため,傘を落としやすいです。
高輪も同様に、杖置きがなく、杖が倒れます。
触感の低い高齢者は、小銭やお札が非常に数えづらいです。また腕があげにくく、モニターのタッチパネル上部まで腕を上げることができません。
タッチパネルは、ボタンとは違い、直感的な操作ができず、画面に表示される情報を視覚で得ながら、操作します。同時に、音声ガイドや警告音等が鳴り響くため、情報量が多く、混乱しました。
次に、「改札」を通りました。suicaでの改札利用は周りの音が大きいことに加えて聞き取りにくいため,suicaが反応しているか確認しにくいです。ディスプレイを大きくするなど,視覚的に確認できるとよいと思います。
改札は北千住と同様、■このように、改札ゲートの音が聞き取りにくいです。
電大の大階段に比べて,駅の連絡通路の手すりの直径は大きく,つかみやすいです。
高輪の駅構内には手すりが張り巡らされています。手すり裏が照明となっており、夜は、構内全体をふんわりと照らしています。
次に「トイレ」の利用です。加齢黄斑変性により,視界が黄色く濁ります。そのため,多目的トイレが緑色は,青色に見えることを体験しました。また,カラーは彩度が高い色に対して白抜きであるため,文字も見えづらいです。女子トイレの赤の近辺にあるに加えて,実際の男性トイレは離れたところにあります。そのため,多目的トイレを男性トイレと見間違えてしまう恐れがあります。
トイレは全てがフラットで、アプローチ部分は280cm×165cmの広さがあります。横幅が広いため、トイレ利用後にホームへ向かう際、外の休憩イス利用者とパッと目線が合うのが少し気になります。
多目的トイレも駅構内と同様の床仕上げで、地続きになっていました。
ベビーベッド脇に開閉ボタンがあるため、ベッドの上で荷物をごそごそしていると、多目的トイレの扉が開いてしまいました。
トイレのマークは白く、また細いため、弱視アプリでみると、マークが消えてしまいます。
次に「売店」で買い物をしました。高い位置にあるものを取ろうをすると,腕を持ち上げることが大変です。また,照明が眩しく感じました。
高輪の売店は特徴的で、完全無人の売店となっています。■このように、お店に入ります
中に入ると左手に進み、そのまま、時計回りでぐるっとまわり、セルフレジへ到達する動線になっています。
動線案内は「STOP」「GO」「CHECK」と、スタイリッシュな英文字で書かれていました。初めて利用する売店だったので、そこそこ英語に日常的に親しんでいる私でも、動線を認識するのに、数秒かかりました。よって、高齢者にとってはさらに、認識しづらいと考えます。
売店の棚は一番上の段が170cmの高さにあり、重りと関節ラップで可動範囲が狭まっていると、手が届きません。
一方で、お酒コーナーの最上段が高さ140cmで、この高さなら、無理なく商品に手が届きました。
完全無人のセルフレジは、自分のペースで金銭授受が出来る一方で、モニター画面から視覚的に多くの情報を得ることで、やっと操作ができるので、利用には、慣れが必要だと感じました。
次に「窓口」の利用です。
高輪では、窓口へ■このようにアクセスします。窓口のデスクに駅員さんは常駐しておらず、自動ドアの開閉音を合図に、駅員さんがデスクへやってきます。
デスクの高さは110cmあり、腰が曲がった高齢者にとっては、駅員さんと目線が合わせづらく、会話しづらい高さとなっていました。
次に「ホーム」を歩きました。健常者は,ホームが見やすいことに対して,黄色眼鏡をかけて利用すると,照明位置や,照明の数により眩しく感じました。
高輪の照明は、全体的にふらっと柔らかく、暗めです。黄変した視界には、見えやすく感じました。
次に,「椅子」に座りました。高齢者体験をして可動範囲からみると49cmが負担がかかりにくい感じました。実際に高齢者の方も49cmで座っている様子が伺えました。
高輪には2種類の椅子があり、改札階トイレ前の椅子は、座面高さが約80cmで、座る・立つがしやすかったです。
一方ホームの椅子は、座面高さが40cm程度で、椅子の両端に手すりがなく、座ったり、立ったりが、大変でした。
次に「電車」に乗りました。
乗る際にオレンジのラインが引かれていたため,ホームの端の位置が確認でき,安全を確保できました。降りる際も印があったため,降りやすいです。
高輪は、転落防止ガードがあります。電車とホームはほとんど段差がなく、隙間はわずか7cmで、私が普段利用している地元駅などに比べて、格段に乗り降りしやすかったです。
次に「乗り換え」をしました。駅を利用する上で特に視覚で困ることが多くありました。情報が多く飛び交う北千住駅で乗り換えの際,どこに行っていいのかを探したときに,案内を見ると,文字が小さくみえづらいです。また,広告が多いため,情報が多くなっています。
階段を利用しながら案内板を見ることは困難で危険です。そのため,階段を上り終えたあとに確認しようとしても見えなくなってしまいます。
高輪は、何番線かをしめす文字が、白く、弱視アプリでみると、マークが消えます。
また構内の床は、黄色味を帯びており、同様に、白味が強めの黄色い点字ブロックは、弱視アプリで消えます。
(方向指示ブロックのサイドが経年変化で明度が落ちてくると,さらに消えて見えるようになります)
北千住での困り事をまとめると、視覚的な問題が多いことがわかりました。北千住駅は1つの構内に多くの線路が存在するため,案内に困ることが多いです。いかに,取捨選択して,重要な情報を利用者,高齢者に伝えることが必要です。
高輪は、文字や色彩デザインによる困り事や、タッチパネル式モニター画面による、情報量の多さや、高さ設定など、構内環境による困り事と、
杖置がない、手すりがない、といった、そもそも必要なサポート設備がないことによる困り事のふたつに分類できました。
次に、私たちは、これら駅での15個の体験をもとに、
それぞれの体験について、視覚・聴覚・触覚・可動範囲と、4つの感覚別に、
このように、0:特に困ることなし、1:状況による、2:不便だ、3:苦痛だ、と、困り度のランクを設定して、グループで話し合いながら、各体験の、困り事を、数値化しました。
北千住では、このように、数値化しました。全体的に視覚による困り度が高い傾向が伺えます
これらを,全体の分布で示したときに,
視覚での苦痛や不便の多さが,より分かります。
可動範囲に関しては朝と夜で疲労感もあり,1:状況によっては不便が生じる、活動項目が多くなりました。
高輪ではこのように評価しました。全体的に、聴覚での困り度数が高い傾向にあります。
分布をみると、
聴覚による【3:苦痛を感じる】項目が、全活動項目の約半数を占めました。
また、2駅を比べてみると、
北千住で、視覚への苦痛が最多である一方で、
高輪は、視覚への不便さはあるものの、苦痛が生じるレベルの活動項目はありませんでした。
しかし、北千住とは対照的に、聴覚の苦痛が多くなっています。
多くの線路が存在する北千住駅。多くの人が利用し,多くの情報が飛び交います。そんな中,そもそも高齢者はただその場所にいるだけ,または,行きたい線路のホームに行くだけで大変つらい思いをします。
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利用箇所ごとにバリアフリーがある一方で,多くの情報が混在し,文字の羅列等で重要な情報が入手しにくい状況です。
また高輪は、そもそも、何もしなくても、ただいるだけで、耐え難い、耳への苦痛を感じる環境にあります。それは、駅構内が一体空間となっており、非常に視認性が高く、わかりやすい一方で、
発着アナウンスや、音声ガイド、電車の走る音、なとが常にわんわんと、混じり合い、響いており、それに強い苦痛を感じます。
50年後の私たちは,このような環境で,まだ,過ごしているでしょうか。
まとめると、北千住では、乗り入れ路線の多さによる、視覚的な情報入手のわかりにくさ、高輪では、駅の空間的特徴による、聴覚への苦痛があることがわかりました。