いつものように・・・
仙台滞在中に、T市のM叔母さんの家へ泊まりに行った義母が
遊びに来た義妹のH叔母さんからもらったという柚子。
「どうして食べるんだかね~」
「るかさんに半分やるから」と言うので
ネットのレシピで初めてジャムを作ることにした。
義母と二人の夜に、
二階で縫い物をするのもはばかられるので
夜なべ仕事にちょうどいい。
「ジャムを作ってみようと思って~」と、
こたつで皮をむき始めると
「そうだ、私もジャム作ってみよう」と義母が言うので
「出来たらお裾分けしますね、
上手くできるかわからないけど~」と話すと
いつの間にか、部屋から自分の柚子を持ってきて
「お風呂に入れたいから、二個とったから」って
・・・義母の分も、いただけるらしい(笑)
こうして数日が経って文章にしてみると、
全然なんてことないフツーの会話と光景だけど
あの時あの瞬間は
「・・・えっ???」って思った。
人間ちっさいヨメである。
私も作ってみよう、って、さっき言ったじゃん。
自分で作るんじゃなかったの~?
私の分も作ってもらえない?とか
こっちもお願い、とか
そういう言葉はないのか~?
手伝うわけでもなく、編みものしてる義母の横で
「こりゃあ結構手間かかりますね~」と
多少の嫌みをにじませながら皮をむき(笑)
なんとなく気持ちがモヤっとしたままで
付きっ切りで火にかけること30分。
てんさい糖しかなかったせいで、
予想外に茶色い柚子ジャムが完成。
実は、柚子に限らずジャムを作ったのは初めて。
お砂糖のたっぷり入ったジャムは
あまり食べないし興味もなかったけれど
こうして手間をかけると愛おしい。
ビンを煮沸して、
私の分、義母の分、
義母がいつもお世話になっているご近所のEさんの分、
三つに分けて、「はい、お土産です」と渡した。
昔の嫁は姑の手下だったから
何も言わなくてもやってくれる、
やってもらうものだ、つまりは
お礼なんて言わなくても当たり前、だったんだろうけれど
同居してない分、覚悟が足りないヨメとしては
たいぶ「違和感覚える瞬間」が、この頃増えてきたと思う。
「家族」になれたのかなあ、とも思うけど
転勤族で何十年も遠くに暮らして来たから、
義母とは、ある距離感があった。
あれは、少しぎこちなくも、割と心地よかった気がする。
「娘とおんなじよ~」と、義母は人に言うけれど
実の娘なら、もっと遠慮なく図々しい(笑)
息子しかいない人だから、
実の娘の時折のとげとげしさはわからないだろうけど。
田舎には、昔のままのしきたりや習慣が残っていて
私が感じる「違和感」はもしかしたら
かつて「嫁」だった義母とその姑の間では
フツーの日常だったんだろう。
そんな昔に思いを馳せた、
初めての柚子ジャム作りの夜。
普段は何の気にもならないことが、
姑が長く泊まりに来ている時にはつい、
愚痴になってこぼれてしまう。
・・・まだまだだな、私。