長男は今、一人旅をしています。
前からそんな話をチラっとしていた彼だけど
年末に帰ってきたとき
「かなりお金使っちゃったよ～、服は買ったし、
ホラ。これも買っちゃった」と、見せてくれた。
センター試験の休みを利用して、旅に出るという。
Ｏ型の彼は夫に似たのか、
行き当たりバッタリが全然平気らしい。
泊まる場所が決まってないと落ち着かない私には
なんだかハラハラするけど、
「ネットカフェに泊まるよ」と、のん気なもの。
どの辺りに行くのか聞いても
「どこにしようかな、京都とか行きたいと思ってるんだけど」と
なーーーーーにも決めてない様子。
１５日に出発するということだったので
夕方、メールしてみた。
「今どこ？」
「鴨川沿いを歩いてる。今からネットカフェ探しま～す」
・・・京都か
いいなぁ～～～
大原は遠いからやめて、翌日は嵐山で温泉に行く、という。
一人でヒマなのかして、普段あまり返事は来ないけど
結構やりとりしてくれる
３日目、夫が聞け聞け言うので
「今どこ～？こちらは良い天気です」と送信。
「岡山の後楽園にいる」と写メが届く。
「今夜名古屋まで行って、次の日四日市に行くつもり」
四日市。なぜ四日市？
実は彼、五年生までそこに住んでいたのです。
高校くらいまで、いくら誘っても「行かない」と言った。
他の子はみんな「行きたい行きたい」と言うのに。
過去は切り捨てるタイプ？
友達にも会いたくないんだって。
四日市どころか、次に住んだＨ崎（ここから４０分くらい）にだって
行こうとしなかった。
男の子ってわからない～～～と、私は思ったものだけど
運転免許を取って、彼の運転でＨ崎に行ったとき
ものすごく懐かしんでいた。だって・・・５年ぶり？くらいだものね。
毎日自転車で通った中学校やら、スーパーやら
住んでいた社宅、その向かいだった小学校、
たくさん写メして帰ってきた。
今日、「今どこメール」をすると
「ちょうど四日市に着いた。近鉄駅まで歩きます」と
カニ本家の写メが届く。
「今からどうするの」と聞くと「Ｕヶ丘って遠い？」との返事。
私たちが家を建て、住んでいた場所。
長男が３歳の時に引っ越して、娘も次男もそこで生まれた。
新興住宅地だったので、同じ年頃の夫婦と子供たちがワンサカいて
実家が遠かった私たちは、
ご近所の方々にホントにお世話になりながら
３人の子供を育てた。
楽しかった子育て時代、思い出がたくさんある。
午後になって、「着いた～」と、元我が家の写メが届いた。
誰か歩いてない？知ってる人に会ったら、ちゃんと名乗りなさいよ。
若い男の子が公園ウロウロしてたら、不審者だと思われるから、と
いらん忠告をしながら、偶然の出会いを期待したけど
「雨降ってきた～、傘を買う店がない！」とメールがあって
そうそう、最寄の駅からだってずっと歩いたんだろうに、
かなり戻らないと店なんてない。
「Ｎさんち（元我が家のお隣さん）で傘を借りなよ
電話いれとくから」「え～、でもいつ返す？」などと多少悩みつつ
奥さんに電話すると出先だったものの、だんなさんが家にいて
傘を貸してもらえることになり、長男に連絡。
・・・・それからしばらく音沙汰ないので
どうなったかしら～、無事に傘借りられたのかな、
雨、ひどくならなきゃいいけど・・なんて
そわそわしていたら、Ｎさんの奥さんから電話が来た。
「Ｋ君来てるっていうから、急いで帰ってきたよ
」旦那さんに家にあげてもらって、休ませていただいたとのこと。
生憎、雨はザンザン降り。
長男の突然の訪問を、とても喜んでくれて
結局今夜泊めていただくことになったらしい。
（予定決めてないんなら是非
と・・・・）歩きつかれた時だったから、ありがたいことだろう。
「めっちゃ変わった～～カッコよくなって
うれしいわ～
寂しかったから、贈り物に思えるわ」
ウチの娘と同じ歳の、Ｎ家の一人息子さんは
大阪で寮生活をしてるので、ご夫婦だけで暮らしてる。
「いっぱい話してくれて、かわいいわ～」と、ホントに嬉しそう。
「誰にも会いたくない」ちょっと昔とは打って変わって
ちゃっかり泊めてもらっちゃう長男の調子良さがおかしいけど
祖父母や親戚、ご近所さんとも自然体で話が出来る
フレンドリーな性格に成長してくれて、ホントによかったと思う。
夫が帰って来て、このことを知ったら
とても喜ぶだろう。（彼は元々そういう人・笑）
Ｎさんとは、家族ぐるみで時々酒を飲んだな。
奥さんとは、子供を幼稚園バスに乗せたあと
週に２・３回モーニングに行ったりして・・・・
そのまま買い物して、ランチもご一緒したりして（爆）
なんという楽しい時代
今夜は酒盛りかな？
あまりよそんちの酒を飲むなよ～～～～
明日中に、横浜に帰るとのことです。
人の情け、うれしいね。
やっぱり、旅はいいものです。
長男の初めての一人旅は、とてもいい思い出になったことでしょう。
