映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は2014年のアカデミー賞外国語作品賞に輝いた作品「グレート・ビューティー/追憶のローマ」です。
主人公は、処女作がベストセラーになり全ての富を得た渡り歩く65歳のジャーナリスト。毎夜行われるセレブの人々との交流を楽しみながらも、いつも満たされない気持ちを抱いている。
そんな彼に突然届いた若き日の初恋の人の訃報。ふられたと思っていた彼に彼女は死ぬ間際まで愛していたことを告げられる。彼女の死を境に彼は再び小説に挑む決意をするのだが。
古いものが重なるように築かれるローマで夜毎繰り広げられる甘美な喧騒。思考を失ったかのようなセレブ達の姿が虚しく退廃的。そんな空気を冷静に眺めながら皮肉交じりに語る主人公のセリフに年を重ねた人なら必ず惹きつけられると思います。
永遠の都ローマを舞台に繰り広げられるタオロ・ソレンティーノ監督の美学には、イタリアの巨匠フェリーニへのオマージュ感じられ美しくも儚い、それでいて人々の鼓動を強く感じる作品でした。