生誕250周年北斎展を鑑賞しました。松坂屋美術館は、大津通の歩行者天国もあってか、かなりの賑わいです。
今回の展覧会は、葛飾北斎美術館の所蔵品を中心とした展示で、富嶽三十六景を中心にした版画や北斎漫画の手刷り本、北斎の代表的な肉筆画が観賞できます。
会場は、やはり富嶽三十六景が来場者の目にとまり列をなしていましたが、今回の目玉は、やはり多彩の技法を用いた肉筆画が、今回の目玉と言えます。
富士や龍、美人画に、花鳥風月、七福神などの縁起画など、モチーフも多彩で、すべてが奇才北斎の名にふさわしい、ユニークなものばかりです。
北斎が描くとすべてのモチーフが、今までの日本画の世界とは異なる独特な世界を感じます。
たとえば、月見る虎図は、虎の大きな眼と月が直線的に描かれ、虎が宇宙と対峙しているようです。
また、放屁図は、武士が大きな屁により、ろうそくの明りが揺れる様を描き、屁の音が聞こえるような滑稽さを持ち、思わず笑ってしまいます。
富嶽三十六景には、北斎の巧みな演出があるといわれていますが、北斎は、観る人が感じるであろう演出が的中するのを楽しんでいるかのように思いいます。
この展覧会を観る人の姿を見て、北斎がほくそ笑んでいるように思える展覧会です。22日まで開催中です。
あなたも、ぜひ北斎のワナにはまってみてはどうでしょうか。