映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回はボクサー、辰吉丈一郎の20年を記録したドキュメンタリー作品「ジョーのあした-辰吉丈一郎との20年-」です。
1990年代において、人気と実力を兼ね備えた稀有のボクサーと言えば、辰吉丈一郎をあげるボクシングファンは多いと思います。
僕自身も、日本のボクシング史上ベストバウトのひとつである辰吉対薬師寺の世界戦は、印象に強く残っています。
今回の作品は、40半ばを過ぎ、日本でのライセンスを失効してもなお、現役であり続ける辰吉丈一郎。その魅力を一年ごとにインタビューのみで構成されています。インタビューの合間に流れるナレーションを俳優の豊川悦司が担当しています。
インタビューをするのは、どついたるねんで赤井英和を役者として起用した阪本順治監督が1995年からの20年を費やし、デビュー当時から親交があった監督との信頼の上にたった、未だかつて見たこのない辰吉の真実の声で淡々と進み、彼のボクシングに対する姿勢や亡き父への愛や家族への愛、さらに彼の人生観までも内包し、辰吉丈一郎の人間としての魅力にあふれた作品となっています。
このドキュメンタリーを観た人は、辰吉丈一郎を好きになるに違いないと思います。