センセーショナルな広告で注目を浴びる「ベネトン」の今回の広告はソフトでありながら、かなり刺激的な広告です。
世界で対立する重要な人物が交わすキスシーン。
シンプルですが、とても深い粋な広告です。
茶々丸オヤジが、粋と言う言葉をなぜ出すかと言うと、粋とは、単なるかっこ良さだけではなく、そこにある主張に一貫性があり、ぶれない姿が見えてこそ、粋を感じます。
ベネトンの広告は、1980年代からオリビエロ・トスカーニにより制作されています。
その広告には、一貫して人類の平等が謳われています。そして、そのフォグラフがあまりにも衝撃的で、様々な批判の矢面に立たされます。
ある意味、ベネトンの主張と異なる考えを持つ人にとっては、不快なことかも知れません。更に不買運動に発展することも承知の上で、広告を提示しています。
企業論理としては、ありえない主張をベネトンは、堂々と行っています。そこには、ありきたりの企業理念を超えた、思想信条を感じます。
ファッションブランドでありながら、自らの商品を提示する事無く、差別と戦い、平等を謳う、ベネトンの隠された美意識に感服する思いです。