今年も一ヵ月半となり、暮れの話題にふさわしい発見があった。
毎年ドラマ化され、暮れの風物詩ともいえる日本人が一番愛する人情物語である、赤穂浪士の討ち入り、忠臣蔵のもっとも旧い自筆本が発見されました。
この発見は、討ち入りから8年後に書かれたことから、江戸庶民が、主君の仇をとるために、時の権力に立ち向かう四十七士に共感した証ともいえます。
また、原作者の元禄太平記などで知られる都の錦がる流罪先で執筆されたことからも、権力に立ち向かう気概が感じられます。
江戸の庶民は、幕府の統制の中、ひそかにその反骨精神に共感しています。
写真の浮世絵は、歌川国芳の源頼光公館土蜘蛛妖怪図です。
幕末の浮世絵の奇才・歌川国芳の反骨精神あふれる作品です。
先日のBS放送の「額縁をくぐって物語の中へ」でも紹介されていました。
平安時代に活躍し、妖怪退治で有名な頼光と四天王を描いていますが、頼光はうたた寝で四天王は、妖怪たちを尻目に囲碁に興じています。
天保の改革の水野忠邦とその部下たちを揶揄した作品として、江戸の庶民に人気があった作品です。
歌舞伎や文楽など、さらに遊郭までも統制された時代で、庶民の文化までも規制した幕府に対する庶民の反骨精神の表れが伺われます。
そんな、江戸の反骨精神は、現代のデモとは違う、遊び心までも内含した痛快さを感じます。