リュック・ダルデンヌ兄弟監督、コティヤール主演の社会派作品「サンドラの週末」を観賞
社会の底辺で抱える問題を取り上げることに定評のあるコティヤール兄弟。今回は、フランスにおける失業問題を独特な視点で取り上げた作品となっています。
うつ病を抱え長期休養をとっていたサンドラは職場復帰をしようとした時に、主任の横やりによって解雇の危機に。友人の手助けもあり再度社長と掛け合い、従業員のボーナスと引き換えに職場復帰を取り付けることができれば解雇を取り消すと言う条件に応じます。
週末、サンドラは従業員の説得に夫と一緒にあたる中で、従業員と様々な対応に心を痛めながら、当日の投票を迎えます。
当初は、サンドラの置かれている立場に同情していた自分自身も、従業員の抱える問題を知るうちに、葛藤を抱えるようになりました。今回の作品は、サンドラの抱える問題だけではなく、社会や家族、さらに会社が抱える問題を複雑に絡み合いながら進んでいく中で、サンドラの問題を自分自身の問題としてとらえることが正しい選択であるのかを考えさせられる内容でした。
そして、最後にサンドラ自身の選択が誰もが納得いく結論であったかを観る人に問いているように感じる作品でした。