映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。人気ドラマシリーズの映画作品「深夜食堂」です。
クッキングパパ、美味しんぼ、孤独のグルメなど食をテーマにした人気コミックの中で、ひときわ異彩を放つ作品が「深夜食堂」ではないかと思います。
物語は、誰かが置き忘れていった骨壺を巡って進んで行き、マスターが作るナポリタン、とろろ御飯、カレーライスにかかわる人々の三部構成になっています。
愛人を亡くし新しいパトロンを物色中の女。ナポリタンをイタリアンと呼ぶところが僕と同郷の匂いがしますが、食堂で同席した年下男と恋仲になり、とろろご飯では、田舎から出てきた娘が男にだまされ無銭飲食がきっかけで、腱鞘炎になったマスターの店で働くようになり、常連客のOLが、震災ボランティアでカレーの炊き出しをきっかけに出会った男にストーカーされるなど、マスタが作る料理と登場する女性の人情劇が、こころ和む作品となっています。
どこの町にもありそうなワケアリの人々が集う昭和の小料理屋に漂う空気感と顔に傷があるこれまたワケアリのマスターが作るコラボレーションが、しんみりと伝わるところが、この作品の魅力だなと思います。