映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、室生犀星の金魚の姿を持つ少女と老作家の物語を映画した「蜜のあわれ」です。
金魚の少女に二階堂ふみ、老作家には大杉漣が扮し、大正から昭和にかけて活躍した文豪、室生犀星の作品を石井岳龍が監督。
物語は、金魚から人間の姿に変貌する少女、赤子と老作家との暮らしぶりが描かれているのですが、二階堂演じる金魚の赤子のコケティッシュな魅力と翻弄される老作家の姿がユーモラスに描かれていて、飽きの来ない作品です。
赤子の老作家への恋模様とエロチックな会話が実に楽しく、二階堂が持つ独特なエロスがピタリとはまってます。また、大杉漣の赤子に翻弄される老作家も適役で、二人が対峙する長セリフも見事です。
石井岳龍監督は、80年代に狂い咲きサンダーロードや爆裂都市BURST CITY、逆噴射家族などでロックとバイオレンス融合した作品で熱狂的な支持を得ていた石井聰亙。今回の作品は、円熟味を増し新たな境地を開いた感じがしました。