65オヤジのスタイルブック

アート展示におけるモラル

最近、現代美術が日本でも受け入れられるようになり、主催者側のモラルや運営面での軽率さが見えてきました。

先般、僕の地元の人気のアートフェスティバル、あいちトリエンナーレでは、あるアーティストの展示で劣悪な環境による、鳥が逃げ出したり、死ぬという事態が起こり、イベントの趣旨に反した不祥事が発生しました。鳥の中には、生態系に影響を及ぼしたり、希少な鳥も含めれており、そのことにより報道も大きくなりました。

アートに携わるものとしては、事前に作家と協議したうえに最善の策は講じられたのではと疑問に思います。その後改善策は施されましたが、生き物を扱う場合には、専門家の意見を事前に聞くなどの方策が必要だと思いました。それは、人気の上にあぐらをかき、運営に対する油断が招いたものだと思います。今後の運営方法に大きな課題となった出来事でした。

そして、起こるべくして起こってしまった最悪の事故。皆さんも、ご存知の通神宮外苑で行われた男児死亡の火災事故。当初はLEDでの点灯が白熱灯を使用した事実に驚きました。

学生側の稚拙さとモラルの低下がもたらした最悪な結果となりました。この事件を知った時、疑問に思ったのは、展示物に子供が遊ぶ時間を制限できなかったのか疑問に思います。

ジャングルジムの中で、張り巡らされた木くずで遊ぶ。子供たちにとっては楽しい行為も昼間の時間帯であれば十分注意を払うことが出来ますが、夜になれば、それだけで危険があると思います。日没とともに展示の使用を終了すれば、最悪な事態は免れたと思います。

これは、主催者がイベントの全体像を把握していなかったと言われても仕方ないと思います。

現代アートは、表現の自由の点からも時に常識やモラルを逸脱するケースは、多々あります。それは、現代アートの持つ創造力からも必要なものですが、そこにも一定のルールは存在します。成熟した西欧諸国では、ルールを順守しながら表現の自由を十二分に伝える努力をしています。

生命の尊厳と過去の文化遺産への敬意など、人間として当たり前のモラルを持ち合わせていれば、このような悲惨な事故は起こらないと思います。

体験的な現代アートの展示では、安全面も含め管理面での専門家のサポートが必要です。彼らは、芸術家であっても、イベントのプロではないのですから。


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