本日の映画レビューは、京都で活躍する劇団ヨーロッパ企画による2分間のタイムループで話題の映画「リバー、流れないでよ」です。
カメラを止めるなに代表される小規模上映からSNSによる口コミで人気ヒットとなる作品が生まれるケースが増えてきました。今回の作品も京都で活動する劇団ヨーロッパ企画による映画作品で、僕は観てなかったのですが、前作の「ドロステのはてで僕ら」に続く二作目の映画になります。
舞台は京都の奥座敷貴船に佇む老舗旅館ふじや。旅館の女将と従業員、宿泊客が2分間のタイムループ(繰り返される再生)に翻弄され抜け出そうと奮闘する群像劇です。出演者は主人公の仲居ミコトをはじめヨーロッパ企画メンバーに加え、女将に本上まなみ、小説家に近藤芳正などの中堅俳優に事件のカギを握る女性に乃木坂48の久保史緒里と多彩な顔ぶれと冬の貴船神社周辺だけのロケで展開されます。
繰り返す2分間のタイムループは、コミカルかつ斬新なアイデアで観る人にほんわかな笑いを誘い、老舗旅館と言う非日常と京都との情緒があいまった飽きることのない演出がヒットの要因ではと思います。最後の落ちも賛否はありますが、誰も傷つけないコメディに落とし込んだ作品としてはありかなと思います。
コロナにより、ミニシアターが閉館に陥る中で老舗旅館の全面協力により低予算で作られた本作。映画から配信で収益をもたらすメジャー作品と比べ、終了と共に忘れ去られる存在となるのが常です。これからも映画館が持つ文化的な役割として地域に根差すように長期的に上映されることを願ってやみません。
先ずは上映館をチェックして鑑賞してみてください。きっと映画の持つ楽しさが発見できると思います。