65オヤジのスタイルブック

映画・日本で一番悪い奴ら

綾野剛主演、白石和彌監督の話題作。映画「日本で一番悪い奴ら」を観賞

 

映画「凶悪」でスクリーンに生々しく悪を描いた作品は、白石和彌監督の存在を強烈に世に知らしめました。そして、今回も北海道警察裏金事件のきっかけとなった、元刑事自らが描いた原作「恥さらし 北海道警悪徳刑事の告白」を基に描かれています。

そして、何より今回の作品が、実録作品でありながら重々しさを一切排したエンターテーメント映画として作られていることに、誰もが記憶として残りうる力を持っていると思うのです。

舞台は北海道警察。柔道日本一を目指し、スカウトされた主人公、諸星要一が、先輩刑事の手ほどきを受けて裏社会と手を組んで、北海道警のエースとしてのし上り、最後は覚醒剤に手を染めて逮捕さる転落の人生が描かれています。

先輩刑事にヤクザ役の凶悪から引き続きピエール瀧が悪い役を演じ、綾野剛演じる諸星に協力するヤクザの若頭に中村獅童と園子温監督のTOKYOTRIBEで主役に抜擢されたラッパー、ヤングダイズ、吉本のハーフ芸人デニスの植野行雄が演じ、他にも青木崇高、TKOの木下、さらに、エキストラに元格闘家を加えるなどなどジャンルを超えた個性的なメンバーが顔を揃えています。

今回の作品が、エンターテーメントとして見事に昇華してるのは、何といっても綾野剛の狂気的な演技、劇中で体重の増減を繰り返し、体をはった演技で、今までにない俳優、綾野剛の存在感をスクリーンいっぱいにべったりと張り付かせてます。

権力がもたらす正義の元で繰り返される悪の所業は、ラストの諸星の言葉が物語っており、人間が奥深く眠っているであろう悪が力により呼び覚まされたときの快感と終焉に向かう恐怖が、笑いの中に見事に組み込まれています。

若松孝二監督助監督として腕を磨いた白石監督、二作にして実録モノを描けば、今後右に出る者はいないと感じます。今後もどんな形で、ノンフィクションの世界を描かれていくか、大いに期待して次作を待ちたいと思います。


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