映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は天才チェスプレイヤーの盤上の米ソ代理戦争を描いた「完全なるチェックメイト」です。
本作は実在のチェスプレイヤーの物語です。天才チェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーを演じるのはスパイダーマンシリーズのドビー・マグワイア、そして、彼の生涯のライバル、ポリス・スパスキーをウルヴァリンのリーヴ・シュレイバーが演じ、監督はラストサムライのエドワード・ズウィック。
本作は、IQ18を誇り、15歳でグランドマスターとなった天才チェスプレイヤーの生き様を1972年に行われた米ソ代理戦争といわれる世界王者代表決定戦のクライマックスにいたる過程を描いてます。
自信家で数々の奇行の持ち主であるフィッシャーをボビー・マグワイアが見事に演じていて、当時の絶対王者であったスパスキーに挑む姿は、個人的にはアリ対フォアマン戦を思いおこすような、巧みな心理戦や深い洞察力が伝わってきました。
後日談として、神の一手により、世紀の対局を制したフィッシャーのその後が記されていきますが、代理戦争に敗れたスパスキーは、名誉も地位も失い、妻の故郷フランスに逃れ、20年後に旧ユーゴスラビアでフィッシャーと対戦。フィッシャーも経済制裁下での対戦でアメリカを追われ、二人が対局したアイスランドで生涯を閉じます。
二人を生涯をたどってみると、スパスキーも作品における主人公だったと思います。そのことは、チェスに生涯をかけた二人の対局からも伝わってきました。