本日の映画レビューは2022年作品で彩プロ配給の「赦し」です。
最近Amazonプライムでいち早く日本映画の秀作が観れるようになりました。今回の作品も劇場公開が限られ時期を逃した作品で、未成年の殺人事件で20年の量刑を課せられ服役中の女性囚の再審裁判による被害者家族のその後の人生と再審による生まれる葛藤と救済を描いた裁判劇です。
主演の松浦りょうは、中島哲也監督の映画「渇き。」でデビュー。今回はいじめにより同級生を殺害した女囚役、福田夏奈として、その冷めた瞳とは裏腹に自らの罪を認めながらも、新たな弁護士の思惑と憎悪に満ちた被害者の父と対峙する難しい感情を見事に演じています。また被害者の母親にはMEGUMIが新しいパートナー役に藤森慎吾が担っています。
裁判の過程でわかる様々な現実事象が詳細に描かれ、殺人の罪は赦されないものの、そこに至るきっかけが最後まで明かされることなくす進む手法が、今回の裁判劇を客観的に見る要因につながっていき、赦しの持つ意味を強く印象付けるものとなりました。
見る側が被害者の立場となって考えた時に、あなたはどんな結論を導き出すでしょうか。