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やなせたかしと「詩とメルヘン」のなかまたち展

アンパンマンで人気のやなせたかし氏の初期作品や氏と関係の深い月刊詩画集「詩とメルヘン」の作家たちの作品を集めた展覧会が岐阜県美術館で開催中です。

最近の岐阜県美術館は、若い学芸員によるユニークな企画展が催され美術館の垣根が低く感じられます。今回のやなせたかしと「詩とメルヘン」のなかまたち展もそんな息吹が感じられる美術展でした。

やなせたかしさんは、アンパンマンにより知られるようになりましたが、すでに50代であり、遅咲きのアーティトと言えます。また、現在のアンパンマンの誕生の先駆けとなる怪傑アンパンマンは、自らの体を与える自虐的なヒーロ像が受け容れられず、社会の批判を受けています。

しかし、1973年の創刊以来、30年間にわたり人気を博した文芸雑誌「詩とメルヘン」で素人の詩やメルヘンにプロのイラストレーターが挿絵をつける独自の編集を打ち立てたのが、やなせたかし氏だったことを知れば、その後のアンパンマンの成功も必然です。

また、挿絵を手がけたイラストレーターは、今日、日本のイラストレーターや絵本画家の礎を築いた人々により作られていたことを知ると「詩とメルヘン」の持つ意義はたいへん大きいです。

今回の展覧会は、やなせ氏はもとより、葉祥明や東逸子、宇野亜喜良、司修、林静一など後に画家としても活躍する一流の人々の原画が、当時掲載された詩と共に展示され、親子で楽しむことができる楽しい展覧会になっています。

また、高校生以下が無料となっているのも、美術館に足を運べなかった人にも優しい企画になっています。7月10日からは、さらに近代の巨匠から現代の作家までのクレパス画を集めた「クレパス画名作展」も同時開催されます。こちらの展覧会にも注目してみてください。

夏休み、避暑をかねて親子でアートの世界に浸ってみるのもいいものです。ぜひ二つの企画展を楽しんでみてはどうでしょう。


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