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映画 ヒトラーへの285枚の葉書

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ナチスドイツ政権下での夫婦の抵抗運動の軌跡を描いた実話に基づく映画「ヒトラーへの285枚の葉書」を観賞

戦後70年、ナチスドイツに対するレジスタンス運動やその犠牲となった人々を描いた作品が数多く生まれています。その要因はヒトラーという独裁者へにより生まれたことは確かです。そして、ユダヤ人を含む犠牲者の多さにより、その残虐な行為が明らかになっているからです。

今回の作品は、戦争により一人息子を失ったヒトラー政権に対して行った市井の夫婦の抵抗運動です。その運動は、町中に政権への批判と抵抗をメッセージカードとして記し、町中のあちらこちらに置くという小さな抵抗の記録です。

ナチスドイツ政権を信じ、懸命に働いてきた労働者階級の夫婦が、息子の死により反政府運動に向かう姿は、冒頭の息子の死だけでは理解し難ったのですが、工場長として働くオットーの理不尽な生産計画や妻アンナの幹部兵士の妻の豊かな生活を通じて、戦争により庶民の生活が困窮する。ブルジョア階層と一般階層の深い溝を描くことで容易に理解できました。そして、ゲシュタボという秘密警察による取り締まりにより、その抵抗心さえも奪ってしまうことも。

そうした中で、ゲシュタボの取り締まりをかいくぐるように、夫婦は285枚のカードを町中に置いていきます。息子を失ったことで生まれた溝を埋めるように夫婦の絆も深まっていきます。

結末は、歴史から想像できるように僅か10数枚を除きすべて回収され、二人は捕まり斬首刑により生涯を閉じます。そんな、小さな抵抗と悲しい結末であっても、恐怖政治により、あげることのできない庶民の叫びが夫婦の285枚の葉書に込められているよう感じました。

民族の壁を越えて、こうした作品を通じて、庶民の声なき声の代弁者でありたいと強く思います。


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