映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、小林薫主演の人気ドラマの映画続編、「続・深夜食堂」です。
安倍夜郎の原作コミックをドラマ化、さらに2015年に映画化、翌年には今回の続編として映画化され、今では韓国版「深夜食堂」も生まれるなどアジアでブームを巻き起こしてますが、食をテーマにした人気コミック作品は、数多くありますが、深夜食堂は、小林演じるマスタ―と、店を訪れる客が食べるメニューを通じて繰り広げられる人間ドラマが魅力です。
今回も、大衆食堂や飲食店の定番メニューである、焼肉定食、焼うどん、そして、お店のたった一つの看板メニュー、豚汁定食の三話で構成されています。一話では、仕事で報われないキャリアウーマン、二話では、蕎麦屋の母と息子、三話は、詐欺被害の老婆を主人公に、身近に起こりそうな出来事をユーモアを交えながら心温まる結末へと進む誰もが共感できる人間ドラマに仕上がっています。
今回は、マスターの口数の少ない物静かなキャラクターが、少しだけ崩れているのも、続編のマンネリに少し味付けを加えています。また、今回の三話の主役の女性陣も、河井青葉、キムラ緑子、渡辺美佐子と各年代を代表する個性豊かな実力派の女性陣が顔を揃えています。そこにレギュラーの常連客が調味料のごとく絡み、ドラマに隠れた味のアクセントを加えています。
日本に根付いた大衆に愛される食文化が人間模様にうまくマッチした深夜食堂、これからも変わらない味を長く届けてほしいです。