名古屋市美術館開館30周年を記念し、モネそれからの100年が開催中です。
先日5万人の来場者を超え好調な本展。現代美術家のアンドレ・マッソンのモネは、あらゆる現代美術の生みの親ではないのか?という問いによる、時代を超えてモネと内外の現代美術家が共演する新しい試みの展覧会です。
日本でもモネは印象派の画家の中でも人気の高く、モネの睡蓮は、日本でも愛されるモチーフ。今回は国内の美術館が所蔵する作品とウォーホルやリキテンシュタイン、マークロスコ、サム・フランシスなど一度は耳にしたことがある著名な現代美術家から日本を代表する画家90点を超える作品が展示されています。
展示構成は、作品の手法や類似性から始まり、モネのオマージュ作品など、各テーマごとに構成され、詳細な解説が加えられています。モネの作品を観ながら、前述の問いかけへの解答を解説から読み解いていく。ただ作品を鑑賞するのではなく、モネと現代美術家たちの作品の共通性を知ることができる知的な展覧会と言えます。
本来現代美術は、作品に明確なテーマを持っていても、作品を鑑賞するだけでは難解な部分が多いでしょう。今回の展覧会は、モネの作品を深く理解しながら、同時並行的に現代美術の魅力も理解できる画期的な企画です。
欧米では、美術は教育の分野や教養の部分で学びの場となっています。日本では作品を直感的に鑑賞する場合が多いですが、知識としての鑑賞も美術を楽しむ重要な要素です。
今回の展覧会は、学びの場としてとらえるのには最適な展覧と言えます。ぜひ、そうした視点で観賞してみてください。必ずあなたに、今までにない新しい発見が生まれると思います。