岡崎市美術博物館での「きらめく日本画・佐久市近代美術館名品展」を最終日の8月4日に観賞しました。
今回の展覧会は岡崎市と佐久市がゆかりのまち提携30周年を記念して開催されたもので、佐久市近代美術館の日本画の名品による展覧会です。
当美術館のコレクションは美術ファンなら誰もがご存知の美術作家の経歴と評価を網羅した「美術年鑑」を発行している美術年鑑社の創業者である油井一二氏のコレクションが中心です。
油井氏が生涯の師と仰ぎ、コレクションのきっかけとなった武者小路実篤の書画作品から、近代、現代へと進む日本画の歴史を垣間見ることができる展覧会でした。
特に今の注目作品は、故平山郁夫氏の画業のライフワークとなるシルクロード作品のきっかけとなった傑作「仏教伝来」が展示されたことです。
仏教伝来は孫悟空の三蔵法師のモデルにもなったら羅汁三蔵がインドから中国へ仏教の教典を伝えた説話の基に描かれています。崇高な世界と象徴的に描かれた白鳩。広島出身で、被爆者でもある氏の平和への願いが伝わってきます。
また、油井氏の美術年鑑を通じた現代日本画家たちの深い親交も感じる展覧会でした。長野旅行の際には、ぜひ佐久市近代美術館を観賞ルートに加えてみたいと感じる展覧会だと感じました。