現在、東日本大震災復興支援特別展「若冲が来てくれました。プライスコレクション江戸絵画の美と生命」が東北各地を巡回し大きな反響を呼んでいます。
この展覧会は、東日本大震災後に東北を訪れたアメリカの日本美術コレクターのプライス夫妻が、自らのコレクションを東北地方の被災者の方々に観賞していただこうと企画されたものです。
氏は、震災で灰色と化した姿を観て、若冲や江戸絵画の絵師たちが描いた自然や動物たちの生命力あふれる姿や色彩豊かな世界を通して、勇気と感動を与える一助となるように企画されたものです。プライス夫妻の江戸絵画を通した日本を愛する思いが深く伝わってきます。
日本文化が広く世界に広まるのは、日本以上に日本を愛し、深い造詣をもった外国人の力が大きいと感じます。
文学においては、小泉八雲が有名で、現在にも数多くの外国人が日本文化を広く伝えています。そうした人たちを通して日本人が、日本文化を再認識しています。
リチャードプライス氏によって若冲を知った日本人は数多く、今日の若冲ブームを立役者はプライス氏に他ならないことでしょう。
プライス氏も述べていることですが、江戸絵画は鎖国により独自の絵画世界を磨いていき、戦後の解放により世界に、そのすばらしが広まったと思います。やはり根底には、人種を超えて文化を通した国際交流が必要だと改めて感じます。