歌手の尾崎紀世彦さんが亡くなられました。病気療養中の報道がされて一ヶ月余り、僕も含め突然の訃報に驚いた方も多いと思います。
先日、徳永英明さんが、最新作の「VOCALIST VINTAGE」のインタビューで、以前の作品より一番歌いやすいような趣旨の話をされてましたが、徳永さん自身が少年時代に慣れ親しんだ曲だったからと思います。
僕も、中学校にあがまでは、昭和歌謡の世界にどっぷりつかっていました。20代前半の歌手の方々が、とても大人びて見えて、その歌唱力に魅了されていました。
そんな、昭和歌謡の歌手の中でも、尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」は、圧倒的な存在感がありました。日本人離れしたスタイルに、迫力ある声量と伸びのある澄み切った声。子どもながらに、何てかっこいい人だと思ってました。まさに、歌い上げると言う言葉が、ふさわしい歌手でした。
今の時代に日本のポップスは、存在しえないかもしれません。昭和歌謡も、今ではノズタルジーな言葉しかありません。
尾崎紀世彦さんの死は、日本のポップスの終焉となるような気がします。
望むべきは、語り継ぐことよりも、歌い継ぐアーティストが生まれることを一ファンとして願っています。