岡崎市美術博物館で開催中の「巨匠たちの英国水彩画」展を鑑賞しました。
美術業界では、油絵などの作品と分けて考えられ水彩画は、油絵作品の下に位置づけされるのですが、今回の水彩画展は、そんな常識を覆させられた展覧会でした。
今回の展覧会で特筆されるのは、風景画家として世界的に有名なターナーの水彩画による風景作品や水彩画の中に、幻想的な作風を反映させたブレイクなどの作品が並び、さらにラファエル派のミレイやヴィクトリア朝時代にわたる、印象派以前の作品が展示されている点です。
どの作品も水彩画の濃淡や紙の特性を生かしたクラッチイング等の技法でより写実作品に深みを持たせています。
今回の展覧会の中心をなす、ターナーの作品では、各地をスケッチした後に、画室にて最終的な作品の仕上げが行われ、その労力は油彩画にも匹敵します。
一般的な透明感のある水彩画のイメージとは異なり、細密な描写の中に重厚で深みのある作品が今回の水彩画で感じ取れました。
それは、英国水彩画と言う独自の世界がもたらすものだと感じます。
新しい水彩画の発見につながる展覧会は、6月24日まで開催中です。ぜひ、英国水彩画の魅力に触れてみてください。