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映画 ゲティ家の身代金

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アカデミー賞ノミネート、リドリー・スコット監督による実話に基づく映画「ゲティ家の身代金」を観賞

世界一の大富豪ジャンポール・ゲティ。ロスにあるゲティ美術館(ゲティ―センター)が有名でロスの観光名所となってます。

今回の映画は、大富豪に起こった孫の誘拐事件。犯人は50億円の身代金を要求。何と、ゲティはその要求を拒否。母親は、ゲティに雇われた元CIAの男と共に救出するサスペンス作品です。

時の流れは、過去の記憶を失わせるもので、1973年に世界をにぎわせたこの事件も風化してました。イタリアに観光中の孫が何者かに誘拐、ゲティの息子と離婚していた母ゲイルの元に身代金を要求。実はゲイルは、慰謝料を拒否することでゲティ家からの親権を得ていたので、身代金を払うことができない。ゲティが他の孫に危害が及ぶことを恐れ、犯人の身代金を拒否、そこにはゲティの周到な策略が隠されてます。

今回の作品、いろいろと調べていくと現在のハリウッドスキャンダルがと密接につながってました。またそこが興味深いです。実は、今回ゲティを演じたクリストファー・ブラマーはケビン・スぺシーの代役。お蔵入りになりかけた作品をリドリーは、ブラマーの力を借りて、僅か9日間でケビンの撮影部分を取り直したそうです。僕はまさに不幸中の幸いだと感じました。80歳のブラマーは、老醜の大富豪そのもの。とにかく醜く、薄汚い欲望をさらけ出し、母親役のミシェル・ウイリアムスの息子への愛(ちなみに不良息子なので溺愛と言ってもいい)との対比が鮮明になり、ゲティの存在感がより際立ってました。

元CIAの男には、マーク・ウォールバーグが演じてますが、再撮影の際に彼のギャラにも、問題があって、実話に基づく映画と制作にかかわるスキャンダルがシンクロしてしまいます。2時間を超える時間も、身代金を巡る、犯人と警察、ゲティとゲイルの複雑な絡み合いで、時間を忘れるほどのめり込みました。80歳を超える俳優ブラマーと監督リドリーのタッグに完全ノックアウトです。まさにスキャンダルとスキャンダルな実話が生んだ怪作だと思います。

この作品も含め、1970年代から80年代にわたる事件を取り上げた作品が今多くありますが、今だからこそ語れるあの時代にあった人間の心の闇が露呈できたのではないかと思います。人間の起こす愚かさはおもしろい。

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