映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は福島の原発事故をテーマにした社会作品「希望の国」です。
福島の原発事故から数年後、長島県(架空の地域)で再び起こった原発事故。20キロ圏の境界線にある家族を通して、原発問題の今を問う作品です。
先日亡くなられた夏八木勲さんが、家族の長として重い役を演じており、放射能汚染地域にアルツハイマーとなった大谷直子演じる妻と共に残る決断をした夫婦と汚染地域から離れ、放射能の恐怖と戦いながら、お腹の子供と共に差別と偏見の中で懸命に生きる息子夫婦を中心に、どの地域にも起こりうる原発問題を様々な視点から描かれた作品です。
アベノミクスによる経済政策が進む中、福島で起こった事故が過去のように感じつつある今にあって、原発再稼動と言う現実が目の前にあることを知ると、安全がないがしろになりかねないように感じます。
この作品を観て、経済と国民生活の安全は同時進行で行われていかなければいけないことを痛切に感じます。急場しのぎのために再稼動による危険と引き換えの経済政策であってはならないと感じます。
安部首相や小泉進次郎氏が被災地に足を運ばれていることは周知の事実ですが、決して、その行動が原発による次の犠牲者を生み出すことにならないよう、今の政府には切に願っています。
作品との解説と園子温監督のインタビュー。この作品を観る意味でも大きいです。福島を広島、長崎と共に第三の被爆地ととらえている点が、次の悲しい過去を起こさない視点ととらえていることに共感を持ちました。