オスカー女優マリオン・コティヤールとカンヌ監督ジャック・オディアールがタッグを組んだ異色のラブストーリー作品「君と歩く世界」を鑑賞
事故で両足を失ったシャチの調教師ステファニーと腕節だけが取柄のシングルファーザーのアリとの再生のドラマ。
失意にどん底にあったステファニーを息子や他人に対してうまく愛情表現できないアリ。ステファニーは、両足を失ったことで、それまでの異性に観られることで満たされたていた自分を失くし、アリは、暴力でしか自分を表現できない不器用な自分に不満を抱き続けている。
そんな、二人が惹かれることで、お互いにないものを補っていく。そんな二人の恋愛は、過去のラブストーリーとは異なるハードなものです。
二人の出会いによって生じる周囲に及ぶ軋轢。もがき苦しみながら、麻酔を打たず傷口を縫うように二人の心は再生されていきます。心の闇を美しい映像が光となって交錯し、かつてないラブストーリーを味わうことができました。