昭和の大横綱、千代の富士が亡くなった。突然の訃報に誰も耳を疑ったと思います。
61歳、若すぎる死に、千代の富士の相撲を思い起こす人も少なくないと思います。僕もその一人で新入幕での足を高くあげて四股を踏む姿と豪快な投げ、四股も投げも、今までない美しさを持っていて、いっぺんに魅了されました。
その後、肩の脱臼で幕下まで転落するも、脱臼を防ぐために、当時は珍しい筋トレによる鎧のような上半身を築き上げ、一気に横綱まで上りつめました。
ウルフの異名を持つ端正な顔立ちと小柄な体ながら正面から向かい打ち相手を圧倒する取り組みに当時ウルフフィーバーが起こりました。思えば、その熱は若貴フィーバーに匹敵するものと記憶してます。
日本人横綱が不在の現在、ウルフ千代の富士のような力士が生まれないかもしれません。しかし、千代の富士のケガを克服した努力は、決してできないことではないと思います。勝ちにこだわる執念と強靭な肉体を生み出した鍛錬を習い、明日のウルフ誕生に期待します。