本年最初の映画レビューは、ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演のPERFECT DAYS-パーフェクトデイズです。
今年から少し映画鑑賞のペースを緩めようと思います。僕にとって映画はライフスタイルのひとつで決してすべてではないのですが、何か追われるように新作映画を観てきましたが、65歳を迎える年を機に本当に観たいなと思う作品だけを映画館で観ようと思います。今はサブスクでも見逃していた作品をありゆったりと楽しんでいきます。
そんな今の僕の気分にぴったりの作品をヴィム・ヴェンダーズ監督が届けてくれました。
パーフェクトデイズの主人公・平山は、都内の公共トイレの清掃人。浅草の旧いアパートに住み隣人の掃き掃除の音で目を覚まし長年にわたり身に付いた習慣の中で日常を送ります。僕にとってはそうしたありふれたに日常が美しくおしゃれに見えます。また、平山に所作から彼の過去が想像されます。劇中の平山はほとんで語ることはなく、彼と関わる人々とも話すことは少ない。でも決して人間関係に距離を置いてはいないのが彼の素敵な一面です。彼のはにかむような笑みがそれを物語っています。
予告編を観れば、単なる一人の清掃員の日常を描いた、人によってはつまらない内容に思えるかもしれません。そこは名匠監督、日常の中で起こる些細な事件の中で彼の過去が徐々に浮き彫りになってきます。その衒いのなさが心地よいです。その心地よさが、木洩れ日なんだなと感じました。