先月、10月25日は藤原彰子さま(のちの上東門院)のご命日だったそうです。
一条帝亡きあと、87歳で亡くなるまで63年間、摂関家を支えるゴッドマザーとして尊敬をあつめ、行政面でも文化面でも大きな影響を与えました。ただご長命の方の宿命というか、先に旅立つ人を多く見送っています。
二人の息子、後一条天皇、後朱雀天皇にも先立たれ、何度も身を裂かれるような悲しみにあわれました。
紫式部、赤染衛門、和泉式部、伊勢大輔などの綺羅星のような歌人たちに囲まれ、ご自身でも優れた和歌をたくさん残されています。
長男(敦成親王)の後一条天皇が崩御した時に詠んだ歌があります。
「一こえも君につげなむ時鳥(ホトトギス)
この五月雨は闇にまどふと」
一声だけでも、亡き我が君に告げてほしい
ホトトギスよ、私はこの五月雨の夜、「子を思う闇」に惑っていると
当時、ホトトギスは死出の山を越えると信じられていたそうです。
摂関政治の頂に立つ偉大な国母でありながら、ただただ我が子を愛する一人の母親でもあったのです。
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